大谷翔平が今季1号ソロ フェンス際でファンが触れてビデオ判定

大谷翔平が今季1号ソロ フェンス際でファンが触れてビデオ判定(東スポWEB)

この数日、東京ドームは熱気にあふれていた。
まずは昨年末からのチケットの争奪戦から始まり、
会場では、お気に入りの選手のグッズを買うのに3時間待ち。
周囲を見渡せば、人・人・人。
どこに、こんなに多くの人が隠れていたのかと思うほどの数である。

それにしても、大リーグは粋な計らいだ。
開幕戦を日本に選び、日本人選手を試合に起用する。
ピッチャーとバッターの、
日本人対決だけをフォーカスして見ていると、
まるで国内におけるプロ野球の試合のようだ。
よくぞここまで、レベルを上げてくれたものだと
各選手の活躍に胸が熱くなる。

興業収益も、主催者の思惑通り、半端ないものになったことだろう。
テレビ放映の合間に流れるコマーシャルも、大谷選手一色だ。
通訳の使い込み事件では、どうなることやらと思ったが、
ヒーローは、物ともせず、我が道を歩み、その名声を高める。

ここぞというときに、きっちりと期待された活躍をし、
その存在感を当然のごとくアピールする。
偶然にも、フェンス際でファンが触れてビデオ判定という、
ハラハラドキドキのおまけつきだった。

本来、世界に目を向けるならば、
ウクライナとロシアの情勢、
米・ロ・ウの、トップによる電話会談の行方を考察しつつ、
ガザ問題の解決における着地点を模索しなければならない時だが、
こうした重い空気を癒してくれるのがスポーツだ。

今、戦争の惨禍にある国々は、スポーツどころではない。
恒久の平和の中で、真にスポーツを楽しめる日が来ることを願う。

「点検商法」生みの親か…“スーパーサラリーマン清水”を逮捕 5年間で100億円売り上げたか

「点検商法」生みの親か…“スーパーサラリーマン清水”を逮捕 5年間で100億円売り上げたか(日テレNEWS NNN)

悪質な手口で荒稼ぎする商法。
派手な生活、高級ブランド物に身を包み、親分肌を見せつける。
まともな企業が求人難のところ、こうした動画配信で、
多くの人がリクルートに応募してくるという構造が理解できない。
「楽して稼ごう」という視座に立つのだろか。
そうだとしたならば、人々の「遵法精神」「倫理観」、「道徳観」が危うい。

高級車も、高級時計も、
それを持つことに、どのような価値を見出しているのだろうか。
所持することが目的であり、それ自体がステータスなのか。
物欲の権化でしかない。

短期間で違法行為による荒稼ぎをして、逮捕される。
決して、人生の手本にはならない。愚の骨頂だ。

額に汗し、目に涙し、コツコツコツコツコツコツ…
努力するさまは、過去の遺物か。
そうではない。土台がしっかりしていなければ、たんなる張子の虎だ。
メッキはいつか剥がれる。

高級車も、高級時計も、権威を象徴するものではない。
権威は、「徳」の後に、自ずとついてくるものだ。

どんな粗末なところに住んでいても、ぼろを身にまとい、粗食をしていても、
権威は、「徳」の後からついてくる。
インド独立の父、ガンジーがそうであるように…。

退路を断って、背水の陣で「徳」を積む。
それが本物の「徳」の延長上にある「権威」であり、
こうした権威の前に、人々は有難さに跪く。

介護職員数が初の減少、212万6000人に…小規模事業者に財政支援し連携や再編促す

介護職員数が初の減少、212万6000人に…小規模事業者に財政支援し連携や再編促す(読売新聞)

少子高齢化、団塊の世代の高齢化で、
介護が必要なシニアの増大が予想される。

そうであるにもかかわらず、介護を担う労働者の数が減少すればどうなるのか。
理由は、仕事がきついこともあり、給料が安いとのこと。
それでは、介護職のなり手が減少するのも道理である。
国の、財政支援だけで事は足りるのだろうか。

知り合いの女性に、病院の事務職が最初で、次にトラック運転手、
30代の後半に、旅館の中居業に落ち着いたという職歴を持つ人がいる。
景色が変わることが好きで、風光明媚な各地を転々としていた。
家庭を持つこともなく、現在50代後半の彼女は動けるうちは働くという。

これからの夢は…と聞けば、貯蓄した金で、
もしもの時の、介護付きの高級老人ホームに入ることだそうだ。

高級老人ホームに入居を希望する者は、入居時の年齢に応じて、
また、受けたいサービスに応じて、数千万円の一時金を支払う。
その後、入居費として、毎月数十万円の負担をする。
これで終身安泰かと思いきや、ホームの運営会社が倒産すると、
新しく施設を引き受ける会社による、サービスの低下が懸念される。

場合によっては、介護職員の確保が難しく、人手不足に陥り、
入居時に約束された、十分なサービス提供を受けられない。
しかし、高級老人ホームに入居するために、自宅は売り払い、
貯金も底をつきつつある。

そうすると、帰るところがないため、
我慢してそこに住み続けなければならない…
といった話もよく聞く。

こうした話題は、介護サービスを受ける側にとって、
他人ごとではない。

健康に気を付け、ストレスをためず、
規則正しい生活をし、
介護の必要がない将来を、
自身で作っていかなければならないということか。
老後に、確約されたパラダイスはないと思っていた方が良いようだ。

それにしても、先行き不透明な生きにくい時代になったものだ。

フルタイム労働者の平均月給 33万円で過去最高を更新

フルタイム労働者の平均月給 33万円で過去最高を更新(ABEMA TIMES)

平均賃金の金額だけを見ると、随分、賃上げがされた感がある。
しかし、このところの物価高を併せ考えると、
実際はどの程度のものなのか、皆目見当がつかない。

光熱水費など、固定費については、どの世帯にもかかってくるのだから、
給料の伸びが鈍い業種、あるいは、
賃上げが難しい中小企業などに勤務する労働者は、
生活にしわ寄せがいく。

経済の状況が変われば、物価が上昇する分、
賃金の見直しも迫られるというものである。

今、多くの会社で人手不足が言われるが、
多くの労働者は、売り手市場の今だからこそ、
平均陳儀を上回る会社への就職を希望することだろう。

平均賃金を支払えない会社は、特段の魅力がない限り、衰退の一途をたどる。

静岡・富士宮市のテーマパーク跡地に「ノースサファリ」運営会社が支店設置…市長、打診認め「困った話」

静岡・富士宮市のテーマパーク跡地に「ノースサファリ」運営会社が支店設置…市長、打診認め「困った話」(読売新聞オンライン)

ノースサファリに「一体どんな動物園なのか見ておきたい」、閉園発表後初の営業日も来訪者続々(読売新聞オンライン)

法令違反が問題化している「ノースサファリ」。
オープンから20年となる今も違法状態が続いていることから、
市は、建物の撤去を命じる行政処分を検討する事態に発展した。
その結果、会社側は、今年の9月をめどに閉園を決定したものである。
札幌市は、今まで何をしてきたのかという問題だ。
閉演が決定され、市はやれやれと言ったところだろう。

そのようなこととはつゆ知らず、動物との触れ合いを楽しんだ来園者が相当数いるはずだ。
かくいう私も、その一人である…。

札幌の代替地として、
今度は静岡県・富士宮市のテーマパーク跡地に移転が検討されているようだ。
動物たちの受け入れ先を誰もが心配していたが、
「日本一危ない動物園」と評される園が、
新天地にそっくりそのままお引っ越し、
と言うことになるのか。

他方、移転問題が降ってわいた富士宮市は、
さぞ困惑していることだろう。

ルール違反を常態化させている会社が、
移転先で、急に遵法精神を貴ぶとは思えない。
そうすると、ライオンをはじめとする、
猛獣の管理は大丈夫なのだろうか。

大地震や、富士山の噴火が懸念される今、
有事の際のマニュアルは万全だろうか。
(それを言ったら、富士山周辺の、
富士サファリパークをはじめ、
伊豆アニマルキングダムの、ライオンやホワイトタイガーも、
そして、伊豆熱川バナナワニ園のワニたちも、大丈夫なのか心配になってきた。)

今回の移転は、ただ、札幌から富士宮へと
看板を掛け変えただけということにならないよう、
行政も住民も、監視体制を強化しなければならない。
企業側にも、情報を後悔する責任がある。

安全安心の下に、
動物と人間の触れ合いが行われる施設へと変貌を遂げてほしい。

石破首相事務所、衆院1期生との懇談で商品券10万円分を配布 15人全員が自主的に返却

石破首相事務所、衆院1期生との懇談で商品券10万円分を配布 15人全員が自主的に返却(産経新聞)

稀代、KYな首相である。
商品券を提供された新人議員は、全員が自主返却。
残ったのは、首相の悪評だけである。

あれだけ国会が紛糾し、総裁選の争点となったはずの裏金問題。
今、再び、それを想起させる行為を、首相自らがするか…との問題である。
新人議員のほうが、よほど良識をわきまえていると言わざるを得ない。

高額医療費の負担増の問題もそうだ。
あれだけ各方面から反対があったにもかかわらず、
今年8月改正を軸とした2025年予算案が強行され、
参院で議決後に衆院に戻して
再度可決し直す異例の手続きとなったことは記憶に新しい。
こちらも前代、稀に見る失態と評価されよう。

政治に流れが見えてこない。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
政治に対する信念が見えない首相に、
最も世界が混迷する中での、かじ取りを任すことほど心もとない。

続けざまの失態に、もうこれ以上の詭弁も方便も通用しない。

動画配信、「投げ銭」で収益 ファンが応援、推し活感覚 獲得額を競うイベントも

動画配信、「投げ銭」で収益 ファンが応援、推し活感覚 獲得額を競うイベントも(時事通信)

新しい文化と言えるのだろうか。
SNSが発達したことによる、安易な配信は、
当たれば大きな金が動く。
推し活よろしく、フォロワー同士が競いあい、熱くなる。
自分がどれだけ配信者を大切にしているか、
その指標は配信ライブに訪れる回数であり、
閲覧時間であり、投げ銭の多寡のようだ。

日常生活でなかなか満たされない憤懣を、
推しのライブ配信を閲覧し、
投げ銭で解消しているように思えてならない。

その心理が今一つ理解できない者にとって、
そもそも、何の意味があるのか腑に落ちない。

こうした配信が、金銭トラブルのきっかけとなるようでは、
配信者も、閲覧者も気の毒である。
善良なのか、悪質なのか、双方ともに見分けがつかない。
SNSは、面識がない人と新たな出会いを与えてくれる半面、
相手のことをよく知らないため、一定の距離感が必要だ。
何が起こるかわからない。
そうしたリスクを十分認識したうえで
ライブ配信を楽しまなければならない。

高田馬場の事件では、250万円以上の金銭トラブルがあり、
民事事件では、今回被害者となった女性に、
損害賠償の支払いが命じられたという。
ただし、女性が任意に支払いに応じなければ、
相手方は、強制執行をするしかない。
しかし、財産がなければ、強制執行もかけられないのである。
しかも、返済してもらおうにも、女性は姿を消して消息がつかめない。

これでは男性側も気の毒だ。
そこで加害者は、憎しみを深めていったのだろう。

このようなトラブルを抱えたうえで、
自身の所在を明確にするライブの配信は自殺行為である。

魅力ある動画の配信者に、ファンがつく。
投げ銭をはじめとして、金銭の貸し借りはトラブルのもとだ。

それぞれの言い分があるのだろうが、
間違っても詐欺まがいなことをしてはならない。
命がけの配信など、愚の骨頂である。

職場内結婚で雇い止めを通告 女性助教ら地位確認で提訴、宮崎

職場内結婚で雇い止めを通告 女性助教ら地位確認で提訴、宮崎(共同通信)

今や懐かしき、悪しき風習の「寿退職」の話題だ。
労働者が、婚姻を機に退職することは一向にかまわないが、
事業所側が慣習を理由に、労働者へ退職を強要することが問題だ。

一昔前、昭和の時代には当然のごとく、結婚に際して肩たたきがあった。
女は結婚したら家に入り、企業戦士の夫を支え、子供の面倒を見、
介護が必要になった親世代を見るのが専業主婦の鑑であり、
良妻賢母との評価が社会通念だった。
この頃は、介護保険制度もなく、介護の担い手は「嫁「」だった。
それゆえ、女性は学問を身に着ける必要はない、学校を出た後は、
家事に困らない花嫁修業が推奨された。

時代は変わって平成の女性は、昭和の時代と価値観を異にする。
結婚だけが女性の幸せではない。
能力を生かせる生き方こそ、幸福の尺度である。
個のニーズに沿って、多種多様な生き方の選択肢が推奨される時代だ。

そして今年4月、育児介護休業が大きく変わる。
なぜか。
国の未来像として、人口が減る少子化に歯止めをかけなければならない。
よって、女性が活躍できる場を担保しつつ、
育児や介護と、仕事が両立しやすい
社会の実現を目指しているのだ。

企業においては、国の政策に反する「慣習」は、変更しなければならない。
それは、時代の変遷とともに、義務化された。

したがって、時代に合わない理由で、今回のような雇い止めは認められない。
時代錯誤の寿退社を理由とした雇止めは、
裁判なれば負けると考えた方が良い。

こうした報道を見るにつけ、会社が独りよがりの労務管理に嘆息する。
法治国家において、社会のルールの枠組みの中で、
会社を運営しなければならないとする、コンプライアンスを教えてあげたい。

社会保険労務士が、上手に活用されていない事案だ。
まだまだ、啓蒙すべき事業所がある。

花粉ピークでついに現れてしまった…虹色の”魔のサークル”が見える日

花粉ピークでついに現れてしまった…虹色の”魔のサークル”が見える日に気象予報士が必ず守る「鉄則」とは(Yahooニュース)

この時期、花粉症は国民病だ。
私は幸いにしてそれほどひどくはないが、
周囲には目を真っ赤にして、
人目をはばからず大きなくしゃみをし、
ティッシュを手放せない人が増える。
国民の半数以上は、花粉症だというのだから、
随分とメジャーになったものだ。

50年ほど前は、「鼻炎」で片づけられていたこの病気、
「花粉症」と改名されてからは、
同じ病気でも、品が良くなり、格が上がったように感じてならない。

せっかく暖かくなり、花見にでも行きたくなる季節だが、
外出を恐れる人が増えるのも道理だ。

それにしても、虹色の”魔のサークル”の存在を初めて知った。
「花粉光環」
人体に悪さをしなければ、実に美しい自然現象だ。
単に花粉だけならそれほど問題はないのだろうが、
これがPM2.5や黄砂と結びつくととんでもないことになるようだ。
時代劇の、越後屋と、悪代官の様なものだ。

PM2.5は、大気中に浮遊する
2.5マイクロメートル(髪の毛の太さの30分の1)以下の超微細な粒子。
硫酸塩、硝酸塩、炭素成分(有機炭素、元素状炭素)などの
有害な化学物質を含んでいると言われる。
そして、黄砂は来なくてもいいのに、
遠路はるばる偏西風に乗って中国から飛んでくる。

この時期、自動車には黄色い砂のようなものが付着し、
払っただけでは頑固に取れない。
これが花粉の正体だ。
アスファルトで覆われた都会は、花粉を吸収する場所に苦慮する。
それゆえ、宙を漂い、人々の花粉症を誘発するアレルゲンになる。

国民の半数以上が苦しんでいるのに、
毎年、対処療法として薬を飲むしかできないのは科学の敗北ではないか。
それとも、研究に本腰を入れないのは、
アレルギー市場を支える企業(製薬会社やマスク業界)の思惑か。
だとしたら、人々の苦しみのうえで商売するのはいかがなものか。

とはいうものの、よく考えれば、弁護士も医師も同じかもしれない。
高収入が期待できる職業は、人の苦しみを救うとの美名のもと、
苦しんでいる人がいなくなると、廃業する職業であるともいえる。
その意味では、アレルギー市場を支える企業も、非難に値しないのかもしれないが…。

いずれにしても、患者には受難の日々が続く。
早く外で楽しめる日が来ることを想いながら、
家の中で、耐え忍ぶことしかできない。

東日本大震災 14年前の「未公開映像」分析 「引き波」の脅威と新たな仮説

東日本大震災 14年前の「未公開映像」分析 「引き波」の脅威と新たな仮説【バンキシャ!】

未だ新たな映像が見つかる。
ひき波を記録したこの映像は、
これまでの津波の常識を覆すほどのものだという。
ひき波の強さ、襲ってくる時間、こうしたビジュアルな記録を
丁寧に解析することで、
次の災害から命を守る一助になる。
このように考えると、何事も検証することが大事であることが分かる。

東日本大震災の後、不幸にも原発事故が起きた。
津波も、原発事故も、想定を超えていたというが
果たして、それは本当なのかと訝しく思う。

あれから14年の歳月が流れた。
震災時に誕生した子供らは、中学2年生になった。

当時、私は東京の連合会館の5階で、
就業規則セミナーの講義をしていた。
御多分に漏れず、床が揺れた。尋常でない、激しい揺れだった。
受講者の皆さんの身を案じ、当然セミナーはそこで中止。
エレベーターは止まっていたので、
全員、階段で地上に向かった。
受講者の一人は、遠くは八戸から参加していて、
その後、帰宅に困難を極めたという。

私とて、常宿の帝国ホテルに車で向かうのに、
通常20分もあれば、十分到着する距離が、
2時間半かかったという渋滞ぶりだった。
未曽有の天災に、被災地のみならず世の中が混乱し、
誰もが正しい情報を求めた。

よって、震災直後には、その関連書籍を多く読んだものだった。

ひき波に関しては、
「三陸海岸大津波」が実にリアルだった。

この作品は、小説家吉村昭による中編ルポルタージュであり、
初版は中公新書で、1970年(昭和45年)
『海の壁 三陸沿岸大津波』の題名で刊行されたものだ。

なお、国土交通省東北地方整備局 釜石港湾事務所のホームページでは、
「歴史に残る大津波の記録は、869年、1611年、1616年、1676年、1696年、1835年、1856年、1896年(明治29年)、
1933年(昭和8年)と続きますが、ほかにも大小数多くの津波が、三陸海岸に襲来しています。
明治29年の大津波は、6月15日の旧端午の節句の夜に起こりました。最初の地震が7時32分に発生し、
その後、釜石沖約200キロを震源(マグニチュード8.2)とする大小11回の地震が約1時間に渡り断続的に続きますが、
8時2分に発生した地震がもっとも大きく、それから約20分後に海水が大きく引きはじめ、やがて三陸海岸は近代史上最悪の巨大津波の襲来を受けます。」
とある。

先の書籍におけるルポルタージュでも
特に、明治29年(1896年) 明治三陸地震の項は迫力があった、
海水が急激に引いた後にすさまじい轟音と共に
黒々とした波の壁が押し寄せた。
アッという間に人や家屋は波にのまれ、
2万6千人以上の人が亡くなり、約1万戸の家屋が流出したとされる。

海水が急激に引いた後、干潟となった海底には、
遠くまで、多くの魚がピチピチと跳ね、
人々は我先にと、狂喜乱舞し、バケツ一杯、
持ちきれないほどに、拾い集めていた姿が描かれていたと思う。
その後の顛末は、知ってのとおりである。

これだけ頻繁に大津波が来ている地域において、
津波の襲来が想定外だったと言い切れるのか、極めて疑問である。
少なくとも、14年前には、小説家吉村昭は実際に体験した人たちのインタビューから、
津波を検証し、それをまとめた書籍を上梓し、
人々に警鐘を鳴らしていたではないか。

「天災は忘れたころにやってくる」

三陸海岸大津波」は、同じく吉村昭氏の著作である、
関東大震災」とともに、定期的に読みたくなる良書だ。

東京大空襲80年 海老名香葉子さん「もう決して私のような子どもをつくらないで」 平和願う「時忘れじの集い」

東京大空襲80年 海老名香葉子さん「もう決して私のような子どもをつくらないで」 平和願う「時忘れじの集い」(東京新聞)

80年前の3月10日、東京大空襲があった。
罹災者は100万人を超え、死者は9万5千人を超えたといわれる。
その悲惨さは、体験者の語りから、私たちは疑似体験している。

海老名香葉子さんといえば、自叙伝的エッセー・児童文学の
「うしろの正面だあれ」が真っ先に思い浮かぶ。
昔、子供に何度も読んで聞かせた本だ。
何度読んでも、読み聞かせるこちらの目頭が熱くなる。
こんなことは二度とあってはならないと思っても、
世界を見渡せば、今、ウクライナが、ガザが、
同じ悲劇をくりかえしている。
人類は、歴史で何を学んでいるのだろうか。

最近、テレビでお見掛けしなくなったと思っていたが、
蛯名さんは91歳というご高齢で、移動にも不自由されているご様子。
それでも、惨事の節目である式典に出席され、
メッセージを伝えられた。
いくつになられても、衝撃の体験を語り継がなければならないとする
語り部の強い意志だ。

戦後の高度経済成長期を経て、
私たちが享受している豊かな社会は、
この時代の方々の、犠牲の上に成り立っていることを忘れてはならない。
歴史というものはそういうものである。
過去があって現在がある。まさしく命のリレーである。

よって、都度立ち止まり、
天寿を全うできなかった人に、
大切な人を失った人々の悲しさに、
思いを馳せる時間を持ちたい。
そして、世界情勢が不安な今だからこそ、平和の誓いを新たにしよう。
合掌

ゾウのランディ死ぬ 映画やテレビで人気集める 推定45歳、転倒で体に負担 市原ぞうの国

【速報】ゾウのランディ死ぬ 映画やテレビで人気集める 推定45歳、転倒で体に負担 市原ぞうの国(千葉日報オンライン)

市原ぞうの国の象たちは、芸達者が揃っている。
器用にも、鼻でぐるりと筆を挟み、
花や、クラゲや、自分たちの絵も描く。
季節に合わせて、桜や、スイカも登場する。
勿論、色も変えることができる。

人間を載せて歩いたり、
鼻にぶら下がることもさせる。
サッカーも、お手の物。

とにかく、訪れた大人も子供も、
彼らのパフォーマンスを楽しむことができる。

象使いは、調教棒を持ち、
要所要所で彼らの体を刺激する。
これが動物虐待だと、愛護団体が非難するものだが、
ツボを押して、指示を出しているに過ぎないという。
確かに、彼らの皮膚は固くて厚いため、少しのことでは傷つかないだろう。

ゾウのランディに話を戻そう。
彼女は、1992年11月に、20歳の若さで、突然の交通事故で亡くなった
象使いの哲夢氏と深い絆で結ばれていた。
映画にもなった哲夢氏とランディーの別れのシーンは印象的だった。

棺を載せた霊柩車が園を去るとき、
彼女は眼に涙を浮かべ、車に寄り添い長い鼻を高く上げて咆哮した。

その後も写真を見せ、声を聴かせると、懐かしそうにしていたというのだから、
人間の感情と何ら変わらない。
人と象は、心を通わせることができることを二人が実証した。

今頃ランディは、天国でようやく会えた哲夢氏に、
その後の長かった生活を、積もる話をしているに違いない。
上手になった絵も披露しているのではないだろうか。

「人間と共存する幸せなゾウの国をつくる」という彼らの夢は、
哲夢氏の妹さんにあたる副園長と、後輩象たちに引き継がれた。

心の傷を癒すということ――大災害精神医療の臨床報告

【増補改訂版】心の傷を癒すということ――大災害精神医療の臨床報告

3月11日が近い。
14年前の2011年(平成23年)、確かに私たちは津波の恐怖を目の当たりにした。
昨年の元旦は、能登が被災した。
1995年(平成7年)1月17日は阪神淡路大震災だった。
あれから30年。日本は災害列島だ。

その阪神淡路大震災で、自身も被災しながら、
被災者の心のケアに当たった若き精神科医がいた。
手探りの診療、ボランティア医師との連携、寄り添う医療、
その記録が淡々とつづられた名著が「心の傷を癒すということ」であり、
その後、増補改訂版が発刊されている。

精神科医も人間である。
ただでさえメンタルを維持するのに大変なところ、
患者が、また回復期にある患者が、
さらに、被災しながら勤務しなければならない医療従事者が
皆、メンタルを保つ必要があり、その中核を担い、かつ、
克明な記録を残す。

それまで、あまり認知されていなかった、心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、
阪神淡路大震災、知られるようになった。
このPTSDは、命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって
強い精神的衝撃を受けることが原因で、
著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害であるが、
安医師の記録が、世に知らしめるきっかけを作ったといっても過言ではない。

「心の傷を癒すということ」、安克昌医師の魂の記録である著書は、
その後の被災地における、メンタルケアに大きく役立っている。

残念なことに、安医師は、
がんにより、2000年に39歳の若さでこの世を去っている。
今、御存命なら、60代前半である。
克明な記録を綴り、刊行した同書により、
1996年12月、「サントリー学芸賞」受賞した。
彼の死は、震災から5年後のことである。

その仕事における功績は、医師仲間からも評価が高い。
彼の生涯は映画化もされ、また今年、2025年1月、
NHKEテレ『100分de名著』にて
『心の傷を癒すということ』がテキストに選定された。

人は物理的な死を迎えても、
人々が記憶している限り、生きている。
その偉業を語り継ぐ人がいる限り、生きた証は力強い華となり、咲き続ける。

こうした意味で、語り部の存在が大きいと言えよう。
故人の偉業を正しく理解し、正しく語り継ぐ。
没後25年の時を経ても、彼の人生は色あせることを知らない。
大きな地震が近未来に想定されている今、
メンタルケアの分野で、彼の業績が、
ますますクローズアップされていくことだろう。

タモリ、“命に関わる”南海トラフ地震について注意喚起。日本最大級の津波避難タワーにも登る

タモリ、“命に関わる”南海トラフ地震について注意喚起。日本最大級の津波避難タワーにも登る(テレ朝)

番組の構成は、まるでNHKの人気番組「ブラタモリ」だった。
ブラタモリは、歴史を知るとともに、観光地を巡る楽しい旅だ。
しかし、今回は南海トラフを想定し、
住民の目線で津波から非難をする行動を検証する旅。

各自治体が作成するCG映像は迫力がある。
想定を頭に焼き付けることで、迅速な避難を喚起する誘因となるか。

高知の一部地域では、34.4メートルもの津波が想定されている。
津波タワーより下の建物は、みな、海に沈む想定だ。
過去の大津波の検証から、
住民をどう守るかが自治体の最大のミッションである。

とはいうものの、住民は高齢化しており、80歳以上が多いようだ。
津波タワーまでの異動が課題である。

また、別のNHKの「トリセツ」では、地震災害時のトイレ事情を特集していた。
簡易トイレの常備は必須とのこと。
下水管がずれ、各家庭では、トイレが汚水の噴水と化す。
マンションも、戸建ても同じである。

イメージとしては理解できていたが、
実際に映像でビジュアル化されると恐怖が身近なものになる。
備えていても、実際に使い方を知らなければ、無用の長物だ。

大災害については、正しく畏れることが大事とはいうものの、
経験したことのない災害をどれだけ掌握することができるのか。

こうした啓発番組が多く流れるということは、
それだけ危険が高まっていることの裏返しであろう。

しかし、どの番組でも積極的に取り上げない問題がある。
それは、「原発」だ。

仮に津浪から逃げることができ、トイレも備蓄されていたとしても、
長期の電源喪失に、数万年単位で必要とされる、
原発の冷却水問題はどう危機を回避できるのだろうか。
福島第一原発で、その恐怖を体験したはずである。

経験しなくて済むなら、この大災害を知らずに生涯を過ごしたい。
誰もがそう思う。

【速報】新幹線の連結外れ…東北、北陸、上越、秋田、山形新幹線で約15万人に影響 上下線111本が運休、166本が最大5時間の遅れ

【速報】新幹線の連結外れ…東北、北陸、上越、秋田、山形新幹線で約15万人に影響 上下線111本が運休、166本が最大5時間の遅れ(埼玉新聞)

二度あることは三度ある…では済まされない。
次は絶対にあつてはならない。
早急に対策しなければならない。

交通の要に、あってはならない重大インシデントだ。
たまたま、人命にかかわる事故ではなかったものの、
高速走行中に連結が外れたらどうなるのか?
想像するだけで身の毛がよだつ。
止まった電車に乗り合わせた人は、
何時間も車内で足止めを食らう。
不安な時間だったと思う。
当然のことながら、その先の予定はキャンセルせざるを得ない。

今、平日の冬、利用客を増やす目的で、
JR東は、「キュンパス」キャンペーンをしている。

これは、「JR東日本たびキュン 早割パス (通称:「キュンパス」) 」であり、
1日間用、または、連続する2日間用.
新幹線・特急列車などの自由席を含むフリーエリア内が
1日間または連続する2日間乗り放題!…と宣伝している。
くわえて、あらかじめ座席の指定を受ければ、
新幹線・特急列車などの普通車指定席に2回(1日間用)、
または4回(2日間用)乗車可能であり、
1日間用は10,000円、2日間用は18,000円だという。

これを使うと、「東京~仙台」間が、通常22,420円のところ、
10,000円で55%引き。
「東京~新潟」間が、通常21,120円のところ
10,000円で、53%引きだという。
確かに、お得に観光地を巡ってみたくなる規格だ。

しかし、前提は、運行に支障がなく、安全に列車を利用できれば…の話だ。

東京駅は、このアクシデントの影響で、窓口がごった返していた。
雪で止まる、オーバーランで止まる、連結が外れて止まる。
様々な危険因子を勘案すると、冬の旅は安全確実なところを選ぶの王道だ。

東北新幹線は、原因が解明するまで連結運航を取りやめると発表した。
アクシデントありきで、スリリングな経験をしたければ
「キュンパス」もいいかもしれないが、
3月13日までに予約した人は、どうするのだろうか。

などと、いらぬ心配をしている。