市職員が勤務中に組合活動、注意せずに突然処分は「違法」 地裁判決(朝日新聞社)
なかなか興味深い事案だ。
裁判所の、適正な手続きを踏めという判断だ。
「事実たる慣習という」という言葉がある。
例えば、退職金の規定がない会社で、
退職する職員に対し、
必ず1か月分くらいの金員を、
はなむけとして、出していた会社があったとしよう。
その会社で、新たに退職者が出た。
彼は、社長に嫌われていたため、退職金が支給されなかった。
会社は、
「うちは、退職金の制度がないので支払うことができない」
と言う。
退職者は、
「これまでの人には支払われているのに、なぜ自分だけが支払われないのか」
と言う。
さて、どちらに分があるか?
これが、事実たる慣習である。
たとえ就業規則などに明文化されていなくても、
慣習として根付いているものは、
明文化されているのと同じように、「お約束」に昇格する。
よって、この場合は労働者の言い分に分がありそうだ。
さて、翻って、市職員の組合員の場合も、
組合活動の時間に対して、
これまで相当な期間、上司が黙認して、事実たる慣習となっていた。
それをいきなり処分することは許されない。
注意を重ね、最終的に処分という形をとらなければならない。
まさに、私が良く言うところの、注意、厳重注意、戒告、処分である。
相手に不利益になる処分を下すときは、
段階を踏まなければならない。
手順を欠いてはならないということである。
労働現場の、イロハのお話でした。
