結語
最後に、社労士の労働争議への代行を制限する議論に対して、付言する。
まず、中小零細企業に、突然に見ず知らずのユニオンから団交の申し入れがあった際、迅速に適当な弁護士に依頼したくても、人選面かつ、報酬面においてハードルが高い。
また、弁護士よりも顧問として日頃から関わる社労士の方が諸事の事情に明るい。
にもかかわらず、資格と職務規律による担保が存在しないユニオンが、当該労働者の代理をすることができ、かたや国家資格者の社労士が事実行為の代行すらできないのは合理性がない。
次に、国会等への働き掛けについてである。社労士の政治連盟や一部の論者は、国民の利便性の観点から社労士の積極活用を訴えるどころか、
諸先輩方が心血を注ぎ勝ち取った労働争議不介入条項の撤廃につき、狭い解釈をしたうえで、社労士の活用の場を制限する方向に論を進めており、嘆かわしいことである。
我々は、法的にも実力的にも専門家としてもっと誇りを持つべきである。少なくともこの分野において、連合やユニオンに卑下する必要はない。
以上、弁護士法72条の制定趣旨に鑑み、国家資格を有する社労士を最大限活用し、国民の権益をいかに保護するか、
当事者である我々社労士が原点に立ち返り、公益の観点から深く考察する必要があると提言するものである。
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