Posted on 2022年6月11日
by 河野順一
日本人の結婚への関心、依然高いが…男性25%・女性16%が「生涯未婚」(読売新聞オンライン)
頭の痛い数字が明らかになった。
男女ともに、生涯未婚率がこれだけ高いとは思わなかった。
それだけ、結婚という制度に人々が魅力を持たなくなったということの表れである。
男性に頼らなくとも、自活して生きることができる女性が増えたということか、
家庭を持つ収入を得ることができない男性が増えたということか。
いずれにしても、関心はあっても、結婚に踏み出す誘因が乏しいのだろう。
確かに、生まれも育ちも異なる他人が、
生涯を共にするということは、多大なストレスである。
結婚はゴールではなく、スタートだ。
「結婚は人生の墓場」などという、シニカルな諺もある。
ただ、長く歳月を共にすればいいということではなく、
お互いのかかわり、つまり存在意義がネックだ。
自立した人間が、お互いを支え合うのが理想であり、
どちらかが、我を通し、どちらかが抱擁するだけでは、
偏頗な親子関係になってしまう。
精神的にも金銭的にも、我慢だけを強いられる関係は苦痛でしかない。
しかし、結婚しなければ見えない風景もある。
一緒に困難を乗り越えたときの達成感は、
何物にも代えがたい仲間であり、同志である。
理想は理想として、現実を俯瞰するしかないが、
相手には求めすぎず、
適当に、いい加減がちょうどよいのかもしれない。
知り合いに、再婚同士の夫婦がいた。
幾多の難題を解決して、やっとのゴールだった。
長き道のりを振り返り、
夫(みちたかさん)は40歳後半の新妻(いくさん)に恥ずかしげもなく言った。
「いくさん、仮に、世界中のすべての人が貴女の敵でも、
僕はいつも、どんなときにもあなたの味方だ。」
そう公言してはばからなかった夫は、
結婚後、たった5年、54歳で他界した。
突然死だった。
50代前半になっていた妻は、生前、
夫がよく口にしていた言葉を教えてくれた。
「世の中には、苦しいことが充ち満ちています。
でもね、いくさん。
これだけは忘れないでください。
どんなに辛いことがあっても、これで済んでよかった。
何て私は幸せ者なんだ…と考えてください。
そうすれば、いつも貴女は幸せでいられます。」
「夫との早すぎる別れを、
『これで済んでよかった』等とはどうしても思えないけれど…」
と言いつつも、その後、彼女は、この言葉を忠実に守り、
今、70代を力強く生きている。
「もう、みちたかさん以上の男性は現れないから…」
と、彼女の再再婚はなかった。
愛と尊敬に彩られた結婚生活は、
短くとも、きっと幸せだったに違いない。
生涯未婚の方々には、こうした中身の濃い人間関係を想像してもらいたい。
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