Posted on 2021年12月24日
by 河野順一
私がセミナーを始めてから、
かれこれ40年の歳月が経つ。
最初は、知名度が低かった社会保険労務士の地位向上を目指し、
会場は自前で借り上げ、
無料でセミナーをしていたこともあった。
審査請求の代理権の取得、
労働争議不介入条項の撤廃、
税理士との業際の問題解決、
少額訴訟代理権取得への誘因など、
青春は、社労士の地位向上に費やしたといっても過言ではない。
実現したもの実現しないもの、
私の希望通りとまではいかなかったが、それなりに今、
この業界もメジャーになった。
しかし、まだ、社労士の平均値として
法解釈の危うさを危惧する。
だからセミナーで、書籍で、75歳になった今も、
私は啓蒙を続けているのである。
今回、来年早々のセミナーのお知らせをしたところ、
読者の方から長文のメッセージをいただいた。
浅田次郎氏の小説、「おもかげ」を引用して、
その方の人生のうちで、最も幸福だったころは、
私のセミナーに触発されて、
社労士を開業したころだと言っていただいた。
恐縮至極。もったいない話である。
幸いに、私のセミナーや書籍から、
「元気をもらった」と感想をいただくことが多い。
おそらく、そう言っていただけるのは、
私の考え方がポジティブだからなのだと思う。
万巻の書を読み、それを実践しているからなのだと思う。
しかし、それは何も私だけの力ではない。
私の投げたボールをしっかりと受け止め、今度はそれを
私のミットのど真ん中に、返球してくれる人がいるからこそ、
続けていけることなのである。
いつも、ワクワク、ドキドキする人生を過ごそうではないか。
「明日死ぬと思って生きなさい。
永遠に生きると思って勉強しなさい。」
マハトマガンジーの言葉は、私の座右の銘である。
好奇心や向上心がある限り、青春は一生続くものと思う。
さて、先の「おもかげ」は、1951年のクリスマスイブ、
主人公が地下鉄の列車内に捨てられた日から物語が始まる。
人々が、街が、一年で一番煌めくその日に、
乳飲み子が、捨て子という人生を背負った。
この明暗が、実に衝撃的である。
幽体離脱という奇想天外な方法で、数奇な人生を検証し、
人生の終焉に、自己の存在意義を確信するストーリーだ。
私たちは、当然にフィクションと知りつつ、作者の筆の餌食になり
滂沱の涙なくして、読めない作品だ。
人それぞれ、人生には意味があり、
どれが正しくどれが間違いかということはない。
プラスもマイナスも全部トータルでその人の人生だ。
「おもかげ」の言葉を拝借しよう。
『死後の魂は、人生のうちで最も幸福だったころの肉体を再び獲得する、
と聞いたことがある。実に都合の良い話ではあるが、
もし本当にそうならば、
それはわたしの人生にとって何時の事なのだろうか。』
令和3年の聖夜。
そのことを、心静かに考えてみたい。
Merryクリスマス。
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