Posted on 2021年3月18日
by 河野順一
ワタミ、労基署から是正勧告 宅食で協定超える残業〔時事通信〕
ワタミは、過去、平成20年にも、
女性社員が過労死したとして耳目を集めた。
会社の体質が良くなったと強調されていたが、
こうした報道がされると穿った見方をせざるを得ない。
報道には、是正勧告の対象ととされた時間外労働をした社員が、
「休職中」とあるが、その理由が気になる。
監督署に申告したことにより、
会社から、何らかの制裁があったのか?
それとも通常の私傷病なのか?
そもそも是正勧告とは、
「労働基準監督署による調査(臨検監督)の結果、
労働基準法などへの違反が確認された際に、
労働基準監督署がその違反事項に対して是正を勧告すること。」である。
ここで大切なのは、「是正」の意味だ。
「是正」とは、「悪いところや不都合なところを正す」ということである。
よって、一般的には、将来に向けて「正す」ということになる。
過去に向かって正すことはできないのだから、
過去における本来あるべき姿との乖離は、そこに損害があれば、
その補填ということになるだろう。
本事案の是正勧告につき、
「ワタミは再発防止に向け、勤怠システムの改修などの対策を講じた」とある。
これは、将来に向けての是正である。
そして、過去の損失補填については、
未払い残業代の支払ということになる。
ここで画期的なことは、従前、
監督署が遡及して未払い残業代を支払えと命令していたものが
「同社員の実際の労働時間や未払い賃金については、
両者で交渉を続けている。」という点である。
こうした報道を見ると、
これまで私が主張してきた、
本来あるべき姿の是正勧告に変わりつつあることを実感できる。
非常に喜ばしいことだ。
そのあたりの詳細は、拙著
「どんとこい! 労働基準監督署」に譲ることにする。
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