Archive for 9月 2019

日日是好日

 【日日是好日】
            にちにちこれこうじつ

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 ■これは、中国の仏教書「碧巌録」に納められた禅語の一つ。
  唐代の僧である、雲門文偃(うんもんぶんえん)は、弟子を前に問題を
出した。
 
  いわゆる禅問答である。
 
  「いまから15日以後の自分の心境を一言で言ってみよ」と。
  誰も答えられないので、師である雲門が自ら答えた。
 
  「日日是好日」と。
 
■ 晴れた日ばかりがよい日というわけではない。
  晴天ばかりが続けば、旱魃で、作物が育たない。飢饉になり、疫病が流行る。
  したがって、雨降りの日も、曇りも、大切なのである。
  
  転じて、人生も楽しい日ばかりとは限らない。
  悲しくつらい日もあるが、それはその人の人生に何かしら意味のあるメッセ
ージと受け止めたい。

  どのような日でも、人生に一回しか訪れない今日を大切に生きよう!!
もう一つ、似たことばで・・・
───────────────────────────────────

晴れた日は晴れを愛し、

雨の日は雨を愛す。

   楽しみあるところに楽しみ

   楽しみなきところに楽しむ

                  吉川英治(作家)

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学びの本質を知る 7

【学ぶ姿勢】
学ぶ姿勢で忘れてはならないことは、「受け身」である。かつて、私は、セミナーでこの話を良くした。
いくらいい話を聞いても、自分の偏った見方の「水」で、心というコップを満たしていたら、実のある内容を習得できない。
耳寄りな話がコップからこぼれ出てしまうからだ。
したがって、人から何かを学ぼうとするときは、一度コップの水を空にしてから聞かなければならないというものだった。
それ同様、学びには「受け身」が大切というのである。曹洞宗の開祖、道元は、「正法眼蔵」という著作を残している。
その中に、鎌倉時代、師匠から仏道を学ぶ、弟子たちの姿が描かれている。弟子たちは、受け身になって必死で師匠から知識を吸収しているのである。
「仏道をならうとは、自己をならうとは、自己を忘れることである。自己を忘れるとは、よろずのことどもに教えられることである。
よろずのことどもに教えられるということは、自己の心身をも、他己の心身をも脱ぎ捨てることである。」
道元は、仏教を学ぶということは、自分を学ぶということであるという。自分を学ぶということは、自分を忘れ捨て去ることだともいう。
そして、受け身になって学べるかどうかが、学習の本質なのだと説く。そうやってのみ、本当に良いものが師から弟子に伝わるというのである。
これは、何も仏教に限ったことではない。ジャンルを問わず、学びの本質だということを、ここに強調しておこう。
「学びのコツは、自分が師と同じことができるようになるまで、何度でも繰り返し行動することの内にある。
徹底的に反復することで、エッセンスを細大漏らさず吸収するのだ。」
ここで忘れてはならないことは、師の背中を見て学ぶという姿勢である。
いくら師が丁寧に教えてくれるといっても、言葉にできないことは多かれ少なかれあるものだ。
そういった言葉で尽くすことのできないノウハウは、師のしぐさから徹底的に盗むしかない。
再度言う。成功するには、師から素直に学べるかどうかがすべてを決する。師を疑ってはならない。
袂を分かち、飛び立つのは、師から多くの知恵を、全部を吸収してからでも遅くない。それまでは、とことん師に従って学ぶ方が賢い。
もはやこれは戦略である。同時にそれが、成功への最も近道だ。
全くもって、徒然草に述べる兼好法師の、「偽りても賢を学ばんを、賢といふべし」に通じるのである。
いよいよ、これから、本題に入る。
知識を吸収することに不断の努力を惜しまない、新たな七人を紹介しよう。業に対する、前向きな彼らの姿勢には、ただただ脱帽である。
様々な経験をされ、すでにベテランの域に達しつつある彼らの体験をもとに、事業場を規律する本物の就業規則とは何かを、今、ひも解こうではないか。

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学びの本質を知る 6

【偽りても賢を学ばんを、賢といふべし】
これは、徒然草の一文である。

人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。されども、おのづから、正直の人、などかなからん。
己れすなほならねど、人の賢を見て羨むは、尋常なり。至りて愚かなる人は、たまたま賢なる人を見て、これを憎む。
「大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽り飾りて名を立てんとす」と謗る。
己れが心に違へるによりてこの嘲りをなすにて知りぬ、この人は、下愚の性移るべからず、偽りて小利をも辞すべからず、仮りにも賢を学ぶべからず。
狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。

あえてここで、内容を訳することは差し控える。
大切なのは、賢者の真似をして、いつ何時もそのように振舞えば、たとえ偽りの賢さでも、その人は賢者の仲間入りができるということである。
徹底して、成功者をまねる。
謙虚に、心を真っさらにして、とことん真似る。簡単なようでいて、なかなかできないのが、この「真似」である。
(続く)

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学びの本質を知る 5

【「行政のお手伝いをする資格」からの脱却】
考えるに、社会保険労務士制度が創設された当初の目的は、おそらく行政のお手伝い的な位置づけしかされていなかったのである。
これは、社会保険労務士法の第1条が「この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、
もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。 」
と定められていることからも容易に理解ができる。
「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与する」ことが最大の目的なのであるから、憲法も、民法も、
その国家資格取得のための受験科目から外されていたのであろう。行政の手足になり、各法令を円滑に実施するために作られた制度なのである。
しかし、それだけを期待された資格では、あまりに悲しいではないか。
一号業務・二号業務が主流だった時代はそれでもよかったかもしれないが、電子申請が普及した今、それだけを職域としていたならば、
早晩、社労士事務所の運営は立ちいかなくなる。誰にでもできることをやっていたのでは、この業界で生き残ることはできないのである。
それゆえ、コンサルタントの役割を業とすることが必要であり、労働紛争においても、クオリティーの高い解決能力が求められるのである。
簡裁訴訟代理権の取得に向け、業界が動いていることにも大きな理由がある。
(続く)

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学びの本質を知る 4

【無知の知を知る】
自分がどの程度の力量なのか。これを正しく理解することがなかなか難しい。人は一般に、周囲が評価するより、自分に対して過大な評価をするものである。
「そんなこと言われなくても、知っている。」だとか、「今さら、それを持ち出さなくても。」などと考える。
しかし、たとえ知っていたとしても、それを実践に役立てなかったら、宝の持ち腐れではないか。言われて初めて気が付くのも、同様である。
また、表面的には理解したつもりでも、突き詰めて問われれば、答えに窮することもある。
つまり、これは知ったつもりになっていただけであり、本質を理解していなかったということである。
このように、人は完璧だと思っても、実際にはそうではなく、知っていると思い込んでおり、少なからずの過ちを犯していることが少なくない。
これを私は、セミナーで「無知の知を知る」という。
誰しも過ちはある。一生において、過ちを犯さない人はいない。
したがって、間違えることは恥ずべきことではないのである。
恥ずべきは、何か。それは、間違いと気づいた後も、そのまま間違いを放置しておくことである。
これを本当の意味での、「間違い」という。大切なことは、その過ちに気づいたとき、その後、どう行動するかということである。
それが、古代ギリシャ哲学の祖、ソクラテスが唱えた「無知の知」の正体なのである。
以下、ソクラテスの言葉の意味に解説を加えておこう。
「ソクラテスを、ひとことでいうなら『問う人』です。
たたみかけるように問いを発しつづけて、相手をいつの間にかアポリア、袋小路にはめてしまう。
なぜなら、そこに「気づき」を起こしたいからです。アポリアにはめることで、アポリアから抜け出す方法を考えていく。
『わかっていた』のではなく、『わかっていたつもり』だったことに気づいてほしい、無知であることを自覚してほしい、と考えてやっているわけです。
『無知の知』をしっかり自覚してもらいたい。(中略)ソクラテスには答えがありません。ある結論を出すことを目的で議論しているわけではないからです。
『私が知っていると考えていたのは違っていた』と気がつけばそれでいい。」(「ギリシャの哲学者たち」ガスリー著からの引用)
よって、自分の無知に気づいたその時点から、謙虚に学ぶ姿勢が大切なのである。再度言う。これが、できる士業者と、そうでない士業者の分かれ目である。(続く)

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温暖化に16歳少女「絶滅の始まりに」国連で涙の訴え

温暖化に16歳少女「絶滅の始まりに」国連で涙の訴え(テレ朝ニュース)

私たち大人は、彼女の訴えにどう応えるべきか。
彼女の年齢では、温暖化に影響を及ぼす今の各国の重鎮からすれば、
子供としか見えないだろう。
しかし、地球温暖化は、将来の地球
全世界がが負わなくてはならない課題だ。
現在の世界の指導者たちが、鬼籍に入ってからの課題だ。
それ故彼女の発言の内容は、非常に重いものといえる。
今を生きるものと、これからを生きる者。
我々大人はもっとこの問題に、真摯に向き合なければならない。

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学びの本質を知る 3

【行政や弁護士に、過大な権限を与えすぎている】
しかし、嘆かわしいことに、社会保険労務士は労働関係諸法令の知識の豊富さを売りにしているはずであるのに、
実際には「法体系の仕組み」、「法文の読み方」、「法解釈」などが、全くなっていない方が目に余る。
受験科目に、憲法や民法が入っていないこともその大きな原因の一つであるが、それゆえ、問題は、行政や弁護士に過大な権限を与えたうえ、自らの資格を卑下していることにある。
まず行政に対しては、私たち社労士が業における根拠を法解釈に求めるのではなく、行政解釈に求めすぎた結果、何を言われても言われるままに、何らの主張ができない構図を作り上げてしまった。
それゆえ、行政指導には必ず従わなければならないと、勘違いをするのである。
例えば、監督署から、タイムカードの打刻時間に従い、2年間さかのぼって時間外割増賃金の支払いをしなければならないと言われれば、送検を恐れて言いなりになる。
解雇予告除外認定を事前に受けなければ、解雇予告手当を支払わなければならないと思い込む。
しかしながら、行政指導に、強制力はなく、原則として相手の任意の協力により実現するのである。
もちろん、国民の義務として、行政に協力できる指導には従っておかなければならない。
ここで注意を喚起するのは、行政のする権利の濫用にまで、自己の意に反して従う必要はないということである。
また、弁護士にしても同様である。確かに、労働法を専門に活躍されている有能な弁護士も少なくない。
しかし、弁護士という資格を有するからといって、労働法に精通している弁護士ばかりではないことを理解しなければならない。
事件は、事実と証拠が生命線であり、およそ8割程度の事件がこれで黒白を決するといわれる。
つまり、事件の筋が悪ければ、いくら有能な弁護士でも黒白を覆すことは至難の業であるということだ。
したがって、法体系をしっかり理解し、裁判例の傾向を把握し、法解釈を的確に行い、筋の良い事件を見極めることができれば、
労働事件に関して社会保険労務士も良い仕事ができると、私は確信している。社会保険労務士の皆さんは、もっと自分の資格と、仕事に対してプライドを持たれた方がよい。
ただし、それを担保するのは資格というよりも、個の資質、すなわち自己研鑚である。
受験に必要な科目とされていない内容で、しかし業に必要であるならば、自らで学習し知識を補っておかなければならない。

【参加するセミナーを吟味する】
このように、業を行う上で、学習することの大切さを理解していただいているものと思う。
国家資格にパスしたから、それでよいということではなく、そこからが、できる士業者と、そうでない士業者の分かれ目である。
企業に必要とされる社労士として業を行っていくためには、絶えず、正しく新しい知識の仕入れが欠かせない。
そこで、手近に社労士会主催の研修会に出かけたり、弁護士が講師を務める労働法のセミナーなどに参加することになるだろう。
しかし、ここで気を付けなければならないことは、セミナーに参加したことにより、必ず実践に使える知識を学べると勘違いしないことである。
当職のセミナーに参加される方々から伺うに、そうしたセミナーに時間と金銭の都合をつけて参加しても、
弁護士は社労士が一定レベルの法知識があることを前提として、小難しい法律の話に終始したり、新しい判例の解説をすることが少なくないという。
それでも、その時は場の雰囲気で「なるほど」と、理解したつもりになって家路に就く。
ところが、いざ実務に利用しようとしたとき、何をどうして良いのやら、全くお手上げ状態だったというのである。
これでは、面白おかしい漫談家の話に、腹を抱えて笑う「漫談ライブ」と、何ら変わりがない。
暇な人間の時間つぶしには良いだろうが、業に使える知識の底上げをすべく、仕入れに行って、使えない知識を聞いて帰って来たのでは、はっきりいって時間と金の無駄である。
セミナーの内容は、十分吟味しなければならない。
しかしながら、弁護士先生の話を聞いても、実践に役立てられないというのは、ある意味無理もないといえよう。
なぜなら、社会保険労務士は、基礎法学を始めとして、法体系を勉強してきていないため、断片的な話をされても、それをコネクトして応用することができないのである。
それゆえ、自分が知らないこと、わからないことを謙虚に推し量るべきである。
たとえ高名な弁護士先生の話でも、法律の右も左もわからない人間が、いきなりレベルの高い話を聞いたところで、理解できるはずもない。
例えるならば、いくら優秀でも、小学生が背伸びして、大学で学ぶ内容を習ったところで、そう簡単には理解できるものではないということだ。
まずは、身の丈に合った、法律を咀嚼してくれるセミナーを選ぶべきである。
(続く)

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学びの本質を知る 2

今まさに、日本国民一人一人に求められる徳目の数々である。軍国主義の象徴とばかり、敗戦後、GHQにより精神的支柱を奪われた日本国民は、糸が切れて大空を迷走する凧に等しい。
それぞれがまとまりなく、くるくるとぶつかり合いながら、無秩序に空を舞う。「徳」はトクでも、「得」を追い、「公(こう)」を忘れて「個(こ)」に走る。
謙虚を軽んじ、刹那的な享楽に興じる。自分さえよければ、人のことなどお構いなし。戦後67年もの歳月をかけて、日のいずる国が斜陽に転じている。
この危機に、何としても歯止めを掛けなければならないと考えるのは、識者共通の認識だ。
しかし、長い年月かけて作り出した堕落の現状を回復させるには、同じだけの時間、いや、それ以上の時間が必要とされるだろう。
教育の荒廃は、同じく教育で修復するしかないのだが、まともな倫理観を持つ大人が少ないだけに憂慮するものである。
しかし、再び「世界から称賛される日本人の美質」を育むべく、識者を中心として、鋭意努力しなければならない。
そうでなければ、今、先人から引き継いだ祖国に生きるものとして、祖国の礎を築き、祖国を愛し、祖国とその末裔のために自らの命をもいとわなかった先達に申し訳が立たないではないか。
わたしは、何も軍国主義を称賛しているのではない。
社会生活を送る中で、個々が周囲との調和の中に、節度をもって為すべきことを為し、日本という国に、誇りを持ちたい、日本人であることに、もう一度誇りを取り戻したいと考えるものである。
いずれにしても、こうした人間関係の荒廃した風潮は、職場の労使関係にも存在する。
だから、権利を誇張して、労使のトラブルが後を絶たないのである。それゆえ、皮肉にも私たち社会保険労務士の需要も大きいといえる。

【就業規則は、古くて新しい課題である】
3日間にわたる就業規則のセミナーを始めてから、早20年が経とうとしている。
これまで、東京・大阪を中心に開催してきたものだが、述べ2000人ほどの方が受講されている。
遠くは北海道、あるいは沖縄から、航空機を利用し、宿泊代を支払って聴講される方も少なくない。
むしろ、大都市にいる方よりも、地方の方の方が熱心に勉強されている感がある。
大都市の方は、「勉強しようと思うときに、いつでも参加できる」という安心感があるのだろう。
それに引き替え地方の方は、資金の面でも日程の面でも、なかなか折り合いがつかないことが多いため、
ある意味、セミナーに参加することが目的となっており、万障繰り合わせてご参加いただいているものと思う。
中には、すでに5回も、6回も参加されている方がいる。
就業規則は、古くて新しい課題である。
常時10人以上の従業員を雇用する事業場では、その作成が義務付けられており、労働諸法令の法改正や、判例の動向、
トラブル発生後の対策等、頻繁にメンテナンスが必要となるため、社会保険労務士にとっては大切な収入源の一つであるとされる。
くわえて、未だ就業規則を作成していない事業所も少なくなく、さらには労使トラブルの増加とともに、就業規則の整備は、企業の存続において喫緊の課題になっているといっても過言ではない。

(続く)

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学びの本質を知る 1

【乱れに乱れた時代からの脱却】
「世界から称賛される日本人の美質を育んだ」とされる、教育の指針が国民に忘れられて久しい。
今、その存在すら知らない国民がほとんどなのではないか。
それ故、周囲を見渡せば、いじめが横行し、汚職がはびこり、官僚の天下りは当たり前、生活保護の不正受給は貰い得、原発事故の責任は誰もとらない。
本来ならば、「自分に厳しく、人にやさしく」「かけた情は水に流し、受けた恩は石に刻む」べきところを、
「自分に優しく、人に厳しく」「受けた恩は水に流し、かけた情は倍付にする」といったことがまかり通り、乱れに乱れた国家を作ってしまった。
その指針とは、知る人ぞ知る、「教育勅語」である。戦前の学校教育では、小学生が意味も分からぬまま暗唱させられた。
しかし、その謂わんとしていることは、体で覚え、実践していたというから感心である。

ちなみに、全文は以下である。
敎育ニ關スル勅語
朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重ジ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
御名御璽

その現代語訳に関しては、様々な書籍が出版されているので、
詳細な解説はそちらに譲ることとして、その要諦、12の徳目を記しておこう。
1.親に感謝する(孝行)
2.兄弟・姉妹は仲良くしよう(友愛)
3.夫婦で協力する(夫婦の和)
4.友だちはお互いに信じあう(朋友の信)
5.自分の言動を慎み、反省する(謙遜)
6.広く全ての人に愛の手をさしのべる(博愛)
7.勉学に励み職業を身につける(修業習学)
8.知識を養い才能を伸ばす(知能啓発)
9.人格の向上、すなわち徳を身に付ける(徳器成就)
10.公のために働く(公益世務)
11.法律や規則を守り社会の秩序に従う(遵法)
12.国難に際しては国のため力を尽くそう(義勇)

(続く)

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要件事実の大切さ 2

ところで、平成24年5月末、大阪の大手外食産業に、労働者の申告により労働基準監督署の調査が入った。
結果、過去2年間にさかのぼり5億円もの未払い残業代の支払いを勧告され、代表者が書類送検された。
この事件の詳細がどうであったかは知る由もないが、もちろん、支払うべき賃金は支払わなければならない。約束は約束だ。
ただし前述したとおり、輩とでもいうべき、さもしい労働者の、賃金支払いの要件に適っていない残業代まで支払う所以(ゆえん)はない。
こうした主張をするとき、「要件事実」に沿ってこれをすることになる。
つまり当事者だけで問題の解決が図られなかった場合を視野に入れ、裁判を見据え、主張に法的根拠を意識しながら、論点整理をしなければならないということだ。
これは、何も、残業代請求に限ったことではない。
懲戒解雇も、整理解雇も、雇止めも、配転命令も、さらにはセクハラもパワハラも、すべて要件事実の観点から事件を俯瞰していかなければならない。

好むと好まざるとにかかわらず、社会保険労務士を始めとして、会社の経営に携わる経営者、人事担当、さらには司法書士・税理士・行政書士といった、
弁護士以外の隣接法理職種も含み、要件事実の基礎を身に着けていなければ民事訴訟に勝つことはできない(ちなみに、弁護士は、徹底的にこの考えが鍛錬されている)。
備えあれば憂いなし。健全な企業経営を推進するため、その途中で起こる労働問題のトラブル解決の道標として、十二分に知識を深めてほしい。

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要件事実の大切さ 1

労働契約をめぐるトラブル、つまり会社と労働者の紛争の事であるが、これが今、増加の一途をたどっている。
その背景には、労働者の権利の高まり、インターネットの普及、司法改革制度の残滓として、弁護士数の増加などが考えられる。
過去、タレント親族の生活保護費支給問題ではないが、もらえるものはもらわなければ損。自分と同じようなケースで、すこしでも取れる金銭はないか。
今や誰でもがアクセスできるHPのサイトには、甘い言葉が溢れている。弁護士にはなったけれど、就職口がない。
そうした弁護士や、隣接士業者が、HPを作成して事件を煽る。事件を作る。
同様に合同労組も、弱者とされる労働者救済という大義名分の下、組合存続、生き残りをかけて、会社に事件を仕掛ける。
一昔前まで、義理人情、礼節を重んじ、勤勉、謙虚、忍耐、慎ましやかが代名詞であった日本人は、
いつしかその少なからずに、自らの権利を主張、誇示し、義務の履行を忘れた、「さもしさ」を身に着けてしまったようである。
確かに、人権感覚は大切である。権利を侵害されれば、全身全霊でこれと対峙しなければならない。
イェーリングの「権利のための闘争」によれば、権利を侵害されても黙っていることは、「倫理的自殺」であるという。
しかし、分をわきまえない、身勝手でさもしい権利の主張は、いただけない。
・・・と、嘆いたところで、これが現実ならば、会社とて、確固たる覚悟を持し、厳然として自衛手段を講じなければならない。(続く)

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訃報

悲しいかな…また、訃報にふれた。
20年以上前からの知り合いだ。
まだ、62歳と私より10歳以上も若い。
私の、社労士、地位向上の理念に賛同して、
つい最近まで、私の主宰する会に所属していてくれた方だ。
私の著書にも写真入りで、寄稿してくれていた。
その彼が、孤独死をした。
友人が訪ねたとき、白骨化した彼のご遺体のそばに、
私の著書があったという。
そこで、その友人の方から彼の最期を知らせる電話をいただいた。
20年以上も前の本を大切にしつつ、人知れずこの世を去った彼は、
どの様な想いで最期の時を迎えたのだろうか。
私に何かできる事はなかったのろうか。
様々な思いが交錯する。

縁あって知り合えた人物の訃報に触れるたび、複雑な思いになる。
老境に達した今、一日生涯の気持ちで日々を過ごしていきたいと思う。
合掌

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社労士の知恵 14

14.一生懸命

資格を取っても開業しないでいる人もいます。いざ、開業となると不安になるものです。
しかし、資格を「死格」で終わらせてはいけません。その資格を取ろうとした動機があったわけでしょう。現状に不満があったわけでしょう
。会社でいやいや仕事をするくらいなら、スパッと辞めた方が会社にとってもその人にとっても幸せです。
いまの日本は、何をやったって食べていけます。
開業して本当にやっていけるのだろうか、なんて余計なことを考えていたら、かえって時機を逃して不利になりますよ。
資格を取ったら、それに賭ける。資格マニアみたいにあれこれ手を出してもダメです。
1つの資格に賭け、1つの専門分野を見つけて、そのことにかけてはだれにも負けないようにする。この一点集中主義です。
一寸法師はどうして鬼を倒すことができたのか。彼は針の先を用いた。金槌で足の裏の土踏まずをトントンと叩くと気持ちよい。
でも、針の先でつついたらたまらなく痛いわけです。針の先という一点にすべての力が集中されるからです。もうひとつは継続性です。
一度チクリと刺すだけでなく、何度も何度もチクチクと刺す。この継続性ですね。私たちは、一寸法師から一点集中主義と継続性の大切さを学ぶべきです。
皆さんそれぞれビジョンを持っているでしょう。人間は何でも自分の望むものになることができるのです。
道元の『正法眼蔵随聞記』に「まず欣求の志の切なるべきなり」という一節があります。
願い求める願望は切実でなければならないという意味です。「この心あながちに切なるもの、とげずというなきなり」。
求めるものの実現のために断固として行動すればその願いを遂げられないということはないのです。
皆さんには、本当にこうなりたいという切なる願望がありますか。ただ漠然と毎日の生活を送っていてはだめです。
将来の自分のあるべき姿を強く思い描いて精進すれば、必ず成功をつかむことができるでしょう。

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社労士の知恵13 その2

鰻丼のチラシだって、1回目はチラッと見ただけで終わりでも、3回、4回とくると、一度行ってみようかと思うものです。
あきらめずに繰り返すことです。飛び込みで苦労してお客様を見つけると、お客様の獲得の仕方がわかります。
私の場合、暑い日も寒い日も雨の日もコツコツ歩いて、1万3000件の事業所を訪問しました。毎日100枚の名刺をポケットに入れて、それがなくならない限りは帰らないと決めていました。
しばらくの間はひたすら忍耐の日々でした。3ヵ月過ぎて、1万3000件のうち顧客になったのが、1%、130件です。
効率が悪いという方もいるでしょうが、顧客先が130件あれば大変なものです。ただ、飛び込みはつらいものです。
慣れるまでは訪問恐怖症になります。でも、それをやりきればどんな仕事でもできるはずです。飛び込みができるようになれば一流です。
とにかく地道な努力を続けることが何より大事。これから開業する皆さんに私と同じことをしろと言うつもりはありません。皆さんそれぞれのやり方でやればいいでしょう。
の場合、開業して6ヵ月は飛び込みをしていましたが、徐々に顧客先も増え、その時間がとれないほど忙しくなってきました。
また、例えば、新聞に折り込みの求人チラシが入っていますね。あれは人材が不足している証拠です。
そういったチラシからリストを作って、こちらからダイレクトメールを送ったり、電話をかけたりしてアタックするのです。

いま、全国に500万の事業所があって、そのうち社会保険労務士と顧問契約している事業所は50万、つまり10%です。これをどう見るかが問題です。
社会保険労務士は必要とされていないのだと悲観的に見る人はダメです。まだ450万も市場がある、チャンスじゃないかと積極的に動く人は必ず成功します。
こんな話がセールスマンのための本にありました。
ある時、ある島で靴のメーカーのセールスマン2人が訪れました。その島の人たちは皆裸足で歩いていました。1人目は会社に戻ってこう報告しました。
社長、ダメです。あの島の人たちは皆裸足で歩いています。靴は売れません」
2人目は会社に戻ってこう報告しました。
社長、あの島の人たちはまだ皆裸足で歩いています。これならいくらでも靴は売れます」
この2人目のセールスマンのような発想が必要なわけです。(続く)

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社労士の知恵 13

13.ラブ・イズ・アクション

いくらサービス精神旺盛の人であっても、それを発揮できるお客様がいなければ何の意味も持ちません。
そこで、一番大事なことは、最初のお客様の心をしっかりつかむことです。そうすれば、後は万事うまくいきます。
「ジラードの法則」というものがあり、これによると、1人の人間の背後には大体250人ほどの知人がいるといわれています。
日本の場合、結婚式場では70人用の会場が一番よく利用されるそうですが、そうすると新郎新婦それぞれ1人につき、だいだい30人くらい親しい人がいるということになります。
ですから、人との出会いを大切にし、「一期一会」の精神で接してごらんなさい。
足をマメに動かし、口をマメに動かし、手をマメに動かして接してごらんなさい。そういう人にはだれだって協力したくなるでしょう。
だから、1人のお客様の心をつかめば、後はもう大丈夫です。次々とつながりができていきます。

真剣にやれば必ずそうなるものです。私はよく「ラブ・イズ・アクション」と言うのですが、徹底した行動から愛が生まれる。
例えば、自分の最愛の人が事故にあったとします。すると、何をおいても一生懸命駆けつけるでしょう。常にこういう気持ちがなければ成功しません。
自分にはこれしかない、後にも先にもこの仕事しかないと思ったら、何でもやれるはずです。徹底して行動すれば愛が生まれる。仕事に対する姿勢が変わってきます。
では、実際最初の1人を見つけるにはどうしたらよいでしょうか。ここで、強調しておきたいことは、最初はどうしても知人、縁者に頼りがちですが、あてにしていてはいけません。
「頼ろう」「すがろう」「願おう」、こんな気持ちを持っていたらつぶれます。顧客の開拓には飛び込みが一番いい方法です。
恥をかき、汗をかき、行く先行く先で断られながらそしてついにたった1人のお客様をつかんだとき、それが大きな自信につながるのです。
資格を取っても、それだけではお客様は来てくれません。こちらから働きかけるのです。(続く)

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