Archive for 3月 2025

倒壊ビルめぐり、中国企業従業員4人を一時拘束 建設資料を持ち出そうとしたか タイ

倒壊ビルめぐり、中国企業従業員4人を一時拘束 建設資料を持ち出そうとしたか タイ(日テレNEWS NNN)

震源地から遠く離れたタイで、建設中のビルが倒壊した。
映像を見る限り、高層ビルは、いとも簡単にがれきの山になった。
その中で、多くの人が働いていたなどとはとても信じがたい。

建設中ではないにしても、周囲の高層ビルは、この揺れに耐えた。
なぜ、この建設中のビルだけが倒壊したのか。

理由は、そもそも建設の工法に問題があったのだろう。
建築物には、安全が担保されなければならないことは当然だ。
しかし、そうでなかったから、中国企業の従業員は、
建設資料を持ち出さなければならなかった。

災害に巻き込まれた方は気の毒だが、
仮にこの建物が完成した後であれば、
さらに被害が拡大していたことだろう。

9.11のツインタワーの崩落を彷彿とした崩壊の映像。
建築基準を守っていたとしても、長周期振動は恐怖、以外の何物でもない。

今、発生が懸念される南海トラフ巨大地震が起きたとき、
避けて通れない問題だ。
くしくも、本日、「南海トラフ巨大地震」について、
国の有識者会議は、最悪の場合は直接死が29万8000人、
全壊・焼失建物が235万棟に上るとする
新たな被害想定を公表した。

とはいうものの、数字を見ても感覚として、実感がわかない。
しかし、ミャンマーやタイの出来事は、
決して他人事ではないと感じる。

生かされている今を、大切に生きなければならないと強く思う。

ミャンマー国軍、大規模地震の後も空爆続ける

ミャンマー国軍、大規模地震の後も空爆続ける(BBC News)

ミャンマー国軍は、狂っている。
トランプ大統領も、狂っている。
プーチン大統領も、狂っている。
エタニエフ師匠も、狂っている。

統治機能を持たない国連も、狂っている。

「コロナ対策不十分」 従業員が感染死、飲食店に7000万円賠償命令

「コロナ対策不十分」 従業員が感染死、飲食店に7000万円賠償命令(毎日新聞)

新型コロナウィルスが猛威を振るっていた頃、
飲食店や公共の場では三蜜を避ける措置が徹底され、マスクの着用が半強制的に行われた。
人々は極力外出を控え、テレワークやリモートでの会議を余儀なくされた。

しかし、一度、状況が沈静化すると、あれは何だったのか…と訝しく思う。
人々はこぞってワクチンを接種し、
そのことにより体調を崩し、死者もカウントされた。

しかし「コロナ禍」から数年が経過し、何が効果的だったのか検証がなされているのだろうか。
未曽有の災害に見舞われ、
その時点において、効果的であろうと考えられるものが全てであり、
専門家と言われる人が、毎日情報番組に登場し、うんちくを傾けていた。
それに外れる行動はタブーであった。

この案件の場合、当時、効果的とされていた対策を、
事業主が講じていなかったことが指摘される。
アクリル板の設置がなかったことはもとより、
大人数での宴会すら規制しなかったことが立証されているものだ。

使用者が予防策をとらなかったことと、
中華料理店の従業員がコロナに感染して死亡したこととの相当因果関係は、
当時の知見に照らして判断された。

これが、当時の認識において、
巷で徹底されていた予防策を尽くしていたのであれば、
仮に従業員がコロナ感染で死亡していたとしても、
これで高額の損害賠償の支払いは命じられなかったことだろう。

使用者は、こうしたケースを回避するために、
従業員のために、可能な限りの努力をした、安全配慮義務を尽くした…
という実績を作っておくことが重要である。

よって、法改正が行われたような場合でも、
使用者の義務は、労務管理に反映させておかなければならない。
これをしないでおいてトラブルが発生した場合、
事業主は善管注意義務を問われ、
予期せぬ金員の支払いを命じられることになる。

法律を味方につけるか、敵に回すかは、
事業主の判断一つである。

フジの「ドン」語らず退場…12年連続視聴率トップの立役者、一方で社内有望株を次々排除のワンマン

フジの「ドン」語らず退場…12年連続視聴率トップの立役者、一方で社内有望株を次々排除のワンマン(読売新聞オンライン)

組織は、利益を上げていればいいというものでもない。
大きな会社は、ある意味公益を遵守し、業界の範でなければならない。
ましてや、世相を深掘りするジャーナリズムは、
クリーンハンドでなければならない。

経営陣の数が多いと、何かと弊害が出る。
船頭が多すぎると船が山に登る…というのと同じだ。
本来の目標が達成できない。
ああだ、こうだと皆が勝手気ままに言い出すと、迅速な決定ができない。

今まで、フジの取締役は22人だったという。
それが災いして、迅速な意思決定能力を欠き、
中途半端なすり合わせで、この間のお粗末な事情説明になったようだ。
よって、今回は10人に減らし、女性の割合を多くし、
社外取締役も増やしたという。

とにかくスポンサーにそっぽ向かれた会社は、
信頼回復に最善を尽くした体をアピールしなければならない。
一度失った信頼を回復するのは、並大抵な努力ではできない。
ワンマン経営は、今や昔になりつつある。
経営者は、若ければいいというものでもないが、
意思決定においてはスピードが必要であり、バランス感覚が肝要だ。

会社の常識、社会の非常識にならないよう、
フジの問題は会社組織のガバナンスにおける反面教師にすべきた。

フジの「ドン」は、言いたいことが山とあるだろう。
しかし、一ことでも口にしたら、集中砲火を浴びることは必然だ。
この場面で、沈黙は「金」である。
人のうわさも75日…である。

2億2000万円、沖縄で過去最高の被害額 SNS型投資詐欺 インスタ広告から「資産倍増」LINEグループに勧誘され… 県警「詐欺疑って」

2億2000万円、沖縄で過去最高の被害額 SNS型投資詐欺 インスタ広告から「資産倍増」LINEグループに勧誘され… 県警「詐欺疑って」(琉球新報)

あるところには、あるものである。
いや、そういう話ではない。

詐欺は、オレオレ詐欺に代表されるように、
高齢者を狙ったものが主流かと思っていたが、
今や、ロマンス詐欺、投資詐欺、
屋根のリフォームや給湯器の点検を装い、
法外な値段で必要がないリフォームや買い替えをさせる悪徳商法など、
その方法は多岐にわたる。

手を変え、品を変え、実に巧妙に罠を仕掛けてくるものであり、
自分は大丈夫だと思っていても、
いざ、その立場になると真贋が見極められない。
だから多くの人が被害にあう。

「君子危うきに近寄らず」である。

しかし、信用が堅いとされる組織に属する人間が、
犯罪に手を染めているとしたならば、
私たちは手の打ちようがない。

野村証券に勤めていた社員が、
顧客先に対する強盗殺人未遂と放火の罪で起訴された事件があった。
三菱UFJ銀行や、みずほ銀行といったメガバンクですら、
貸金庫を利用する客の、財産を窃取する従業員を雇っている。
警察官が、事件で訪れたことがある被害者宅に強盗で押し入る。
出動先の現場で、玄関先のカバンから現金10万円を盗んだとして
救急隊員の男が逮捕された事件もあった。
こうした類の話題は、枚挙にいとまがない。

こう考えていくと、何を信用したらいいかわからないし、
どう予防したらいいかも、皆目検討がつかない。

これまで被害にあっていなければ、
それを幸運だと喜ぶしかないのだろうか。

社会の倫理が欠如し、世の中が殺伐としている。

山林火災、民家6棟が全焼 愛媛・岡山、強風影響で勢い増す

山林火災、民家6棟が全焼 愛媛・岡山、強風影響で勢い増す(共同通信)

他人ごとではない。
これまでの記憶では、山林火災で、
これだけ多くの場所で被害を出した年はないだろう。

1月には、山梨県甲府市と笛吹市にまたがる大蔵経寺山で、
2月末には山梨県大月市で、
そして多くの家屋が喪失したのは岩手県大船渡市だ。
3月、今度は、愛媛県今治市で、岡山県岡山市南区で、
そして、宮崎県の山林も燃えている。

小規模の過失による火災はこれまでもあったが、
これだけ広範囲にわたり、人家の延焼を心配する火災は稀有だった。

地元の消防署が、消防団が、周辺の自治体の応援職員が、自衛隊が
夜を徹して消火に当たるも、春特有の強風が災いして、火の手は勢い増す。
住民の方々は、さぞや不安な時間を過ごされていることと思う。
ただ見守るしかできないのは、なんと歯がゆいことだろう。

お隣、韓国でも、
南東部・慶尚北道(キョンサンプクド)で続く大規模な山火事で、
25日夜から26日未明までに、
住民18人の死亡が確認されたとの報道がある。

2025年1月にロサンゼルスを襲った過去最大級の山火事では、
24人もの尊い命が失われ、15万人以上が避難を余儀なくされたという。

山林火災は、全世界的な問題となってきている。
気候変動で、極端な少雨は、枯れ草を大量に発生させる。
乾燥したところへ、何らかの原因で火が付けば、
これまた強風により燃え広がる。

気候変動の原因は何か…と考えたとき、
真っ先に考えるのは温暖化だ。
なぜ温暖化になったかといえば、世界の工業生産物の製造過程や、
自動車の排気による、CO2等の温室効果ガスの排出が無関係ではない。
それゆえ、パリ協定を履行していかなければならないはずが、
アメリカはトランプ大統領になり、協定から再び離脱した。

世界を見渡せば、山火事だけでなく、洪水も頻繁に襲い、
人々は安心して自宅に住むことが難しくなっている。
結局、人間がした開発や生活様式が、まわりまわって、
ブーメランのように、人間の生活にはね返ってきている。

本日の関東は、昨日に引き続き25度以上の
夏日を観測しているところが多い。
最高気温が25度といえば、平年の6月だ。
まだ3月だというのに、
今年の盛夏はどのくらい高温になるのだろうか。

災害で家を無くした方々は、どこに住むことになるのか。
誰の身におきてもおかしくない「被災」。
元凶の根絶から本腰を入れなければならない。

【速報】今日24日東京で桜の開花発表! 平年と同じ開花 満開は29日予想

【速報】今日24日東京で桜の開花発表! 平年と同じ開花 満開は29日予想(tenki.jp)

先週までは雪もちらほらしていたが、
東京では早くもソメイヨシノの開花宣言がされた。
これから気候も良くなり、お花見日和となるのだろう。

日本人は、桜が好きだ。
緋寒桜、河津桜、八重桜といろいろ種類はあるものの、
ソメイヨシノが桜の代名詞だ。
薄ピンク色の淡い花びらが春風に揺れる。
満開の桜並木。桜のトンネル。
青空に生えて、えも言われぬ美しさである。
楚々として、それでいて凛として、
また散り際の桜吹雪は、あでやかな中に人生のはかなさを重ね、わびさびを感じる。

人々は、また春を迎えられた喜びを、
花見をしながら分かち合う。
この時期は、日本人でよかったとしみじみ思う。
日本人のDNAが、間違いなく騒ぐ。

あと何回、桜の時期を迎えられるだろうか。
気が付けばそのような齢になった。

いつかしてみたいと思うのだが、
桜前線とともに旅し、各地の桜を見て回りたい。
生涯に、そのような時間を持てたら幸甚の極みだ。

しかし、桜の開花時期というのは実に気まぐれであり、
その年の開花を、ピンポイントで狙うのは至難の業だ。
旅をするには、旅程を組まなければならない。
宿の手配、交通手段の手配など、
主役が不在では台無しになる。

くわえて花粉情報、黄砂の飛散情報も要チェックである。

昨日深夜、関東地方は春雷がとどろく、荒れた天気だった。
寒気と暖気がせめぎ合った結果だ。
一夜明けて、天気が回復し、戦いを制した暖かさが開花を促していることと思う。
ただし、大陸から大挙して押し寄せる黄砂は、本日と明日がピークとのこと。

対策を万全に、春の訪れを楽しもう。

袴田さんに2億円超交付へ 刑事補償金、過去最高額か

袴田さんに2億円超交付へ 刑事補償金、過去最高額か(共同通信)

2億円という金額は、高いか安いか。
例えば、宝くじの当選のように、
予期せぬ大金を手にするのであれば、それは間違いなく高額だ。

しかし、アブク銭は湯水のように浪費して、消滅することが少なくない。
東電OL殺人事件のゴビンダさんは、“冤罪で15年服役”で
当時のネパールの平均年収の1000倍以上に相当するという
「補償金6800万円」を使い切っていたとの話題は、
過日このブログでも触れた。

袴田さんの場合は、30歳から47年以上にわたる身体拘束があった。
しかも死刑囚である。
日々、執行の恐怖に怯えながら、精神もむしばんでしまった。

冤罪と確定した時の年齢は、もうすぐ90歳に手が届く。
これから、それだけの大金を何に使えるというのだろうか。
失った時間の長さと多大なる精神的な苦痛、そして2億円を天秤にかければ
何方が重いかは一目瞭然である。
誰しも、自由がいいに決まっている。

くわえて、背景にはお姉さんをはじめとして、
多くの支援者の存在も外せない。
手弁当で支援活動に身を投じたその時間と労力は、金銭に換算できない。

巷間の人々は、賠償賠償の金額の大きさに目を見張るが
背景を考えれば決して高いとはいえない。
国賠にしろ、民事の損害賠償にしろ、
それは、あくまで他者の権利侵害により、
失せざるを得なかった損害の穴埋めであるため、
裁判で儲かることはない。
裁判など、しないに越したことはない。

よくぞ、「権利のための闘争」に勝利されました。
袴田さんと、その支援者の方々に、衷心よりお疲れ様と言いたい。
そして、今後、誰の身にも同様な惨禍が及ばないことを、切に願う。

2009年佐々井秀嶺44年ぶりの帰郷

2009年佐々井秀嶺44年ぶりの帰郷

昨日の続きである。
佐々井秀嶺上人が、44年ぶりに帰郷した際の密着映像である。
今から15年位前の映像であるため、
上人はまだお若く、体躯もいい。
昭和40年に日本を離れ、帰ってこられた心境は、
まさに浦島太郎だろう。

高速道路を自動車で走っているときに、「最近の道路には人が歩いていない」とポツリ。
同行者は、「高速道路は人が歩けない道路なんです」と補足。
75歳にして初めて乗った新幹線の中から、かすかに見える山頂を拝むことも忘れない。

日本で、上人を支持する人々の集まりに参加し、講演の行脚でもあったのだが、
仏門に帰依した方々との集合写真が印象的だった。
大勢の僧侶に囲まれて、上人は最前列の真ん中に納まっていたが、
一人だけ、袈裟が異なり、ひと際目を引く。

1億5千万人の長は、東南アジアの僧侶が身に着ける
おなじみの山吹色の袈裟と、その下にえんじ色の質素な綿の衣類。
その他大勢の方がは、金襴緞子の煌びやかな袈裟に身を包む。
日本仏教と、インド仏教の差異を端的に表す。

その後の会食では、金襴緞子組は、背広に着替えて酒やたばこもあり。
贅を尽くした食事を前に、凡夫の宴会よろしく歓談していた。
他方上人は、戒律を守り、お茶で一人、久しぶりの和食を堪能していた。

また、広島の平和公園で出会った子供達とのエピソードも、
今の日本を象徴する出来事だった。
校外学習か、修学旅行か、小学生の集団が
原爆ドームの前で記念写真を撮る。
「一緒に撮ろうよ」という上人に、
引率の先生も含め、袖にされていた。
知らない人に声をかけられても、
「親しくするな」の教えである。

「インドならば、子供たちが笑いながら
僧侶に寄ってきて。嬉しそうに挨拶をする。
心を通わす対話がある。日本にはそれがない。
裏を返せば、それだけ、日本の仏教が
人々の生活に根付いていないということだ。
僧侶が身近な存在でないということだ。
信仰を持たない、よりどころを持たない国、日本は、いずれ先細りする。
今のうちに何とかしないといけない。」

インド仏教と、日本仏教との違いを端的に語られていた。
教えを乞う人物に恵まれない日本は、
物質的な豊かさはあっても、心の貧国を認めざるを得ない。

挨拶は社会生活の基本であるし、また感謝も然りである。
今、自分があることは、様々な縁が織りなした結果である。
どれ一つ欠けても、今の自分はない。

2か月に及んだ上人の、44年ぶりの帰国密着取材は、
多くの示唆に富んでいた。
それから15年、墓じまいが進む仏教は、
ますます民衆から遠いところにある気がしてならない。

インド仏教徒1億5000万人の頂点に立つ“日本人僧” 佐々井秀嶺84歳とは一体何者か?

インド仏教徒1億5000万人の頂点に立つ“日本人僧” 佐々井秀嶺84歳とは一体何者か?(白石 あづさ)

日本の人口をご存じだろうか。

2025年(令和7年)3月1日現在、総務省の統計局によると、
1億2,344万人である。
1億5000万人の信者がいるということは、
日本の全人口をしてもまだ足りない数である。

その頂点を極めるインド仏教のトップは、日本人(正確には、だった)の佐々井秀嶺氏だ。
この記事は6年前のものだから、現在は90歳になられている。
世界を動かす5人に数えられる氏の名声は、
日本でそれほど高くないというのが驚きである。

むしろ、近年では、東大を出て、
100億円の年商があったIT起業家が、
108万円(108は煩悩の数)だけ手にして、佐々井秀嶺氏に弟子入りした、
小野裕史さんのほうが、扱いが大きいかもしれない。

最近、精神科医の香山リカ氏との対談
「捨てる生き方」が話題になっている。

しかし、小野裕史さんにスポットが当たることで、
師匠の佐々井秀嶺氏の活躍が、ますます注目される。

底辺から生き方を模索し、1億5000万人の長に上り詰めた人物と、
50歳を直前に、その生きざまに衝撃を受けて、
突如仏門に入り、資産、社会的地位、名声を捨てた人物。
全く異なる立ち位置から、仏道を目指す僧侶らの生き方は
興味深い以外の何物でもない。

それも舞台は日本ではない。
インドは仏教発祥の地、お釈迦様が、その教えを広めた地である。
時代とともにヒンドゥー教が台頭し、仏教徒はその数を減らしていった。
ヒンドゥー教には生まれながらの差別的な階層である、カースト制が存在する。
その制度において、「不可触賤民」は最下層にも入れない、
他の階級が触れることすら卑しいとされる、彼らは、いくら努力しても、
この世で人たるに値する最低限の生活が保障されない人たちだ。

総数は約2億人と推計されている。

この人たちに、差別制度を無くすべく、
佐々井秀麗上人は、仏教への改宗を促した。
人々に生活の向上と、治安の良さと、希望を与えた。

上人が初めてインドの地を訪れた際、
数十万人しかいなかったインド仏教の信者は、
約半世紀後の現在は、1億5000万人である。
如何に偉業であるか、数字が語る。
信者は上人の姿を認めると、すかさず近寄り、
跪いて頭を垂れて何度も崇める。
まるで、生き神様である。

日本人が、何のつてもなく単身インドに渡り、
仏教発祥の地で、仏教を再興する。
凡夫には望むべくもない偉業である。

そして、その意志が、次の世代に受け継がれていく。
1億5000万人のトップであれば、
さぞ裕福な暮らしをしているかと思いきや、
上人の場合は対極だ。
清貧の志を、地で行っている。

住まうところは、狭い部屋に生活必需品がぎっしり詰まっており、
高齢で横になることが多い寝床は、人々の相談時に、面談室に早変わりする。
時に厳しく指導し、子供や、困った人に寄り添う優しさと笑顔は、格別であり、
これまで培われたいぶし銀である。

知れば知るほど、その生きざまに惹かれる。

文科大臣が国会で涙の答弁。立憲・新人議員は、初質疑で何を語ったのか

文科大臣が国会で涙の答弁。立憲・新人議員は、初質疑で何を語ったのか‥‥(柳原三佳氏)

大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案(217国会閣8)

息子死なせた加害者、全財産は7000円 謝罪も賠償もないまま母国へ…(柳原三佳氏)

世の中は、理不尽なことが多すぎる。
不幸にも、思いもよらない出来事に遭遇し、
自身のみならず、家族の人生も大きく狂う。

立憲民主党の新人議員・眞野哲(まのさとし)氏もその一人である。
交通事故で19歳の長男を亡くされ、
そこから氏の人生の歯車が狂いだした。

当事者として関わることとなった被害者救済制度が、
機能していないことを痛感し、絶望の淵に追いやられた。
そして、憤懣やるかたない怒りの矛先の持っていき場を模索した。

その結果、制度を変えるべく、法改正の必要性を確信するに至り、
自身が先鋒となるべく、衆議院議員に挑戦し続ける。
同時に、教師への夢半ばで早世した長男の遺志を継ぐべく、
50歳にして会社代表者の仕事をやめ、
大学に入り直し、教員資格を取得した。
そして現在、日本福祉大学 実務家教員という立場で
実践レベルの教育に深く携わる。

そうした背景があつての、今般、国会での初の質疑である。

口調は穏やかではあるものの、想いの猛りは、
冒頭、答弁する大臣の涙を誘う感動的なものだった。
聴くものすべてが、うなる内容だった。

人は感じて動く「動物」である。
久しぶりに、心の琴線に触れる質問を聞いたと思う。
自身の体験が礎となっているから、説得力がある。
これ以上、誰にも、自分と同じ想いをさせてはならないいう気迫が漲る。
政治家には、国民の痛みに共感し、その要望を、国政に具体化する議員が必要だ。

金配りに固執する、旧泰然とした議員は必要ない。
新人眞野哲代議士には、息子さんの分までご活躍願いたい。

大谷翔平が今季1号ソロ フェンス際でファンが触れてビデオ判定

大谷翔平が今季1号ソロ フェンス際でファンが触れてビデオ判定(東スポWEB)

この数日、東京ドームは熱気にあふれていた。
まずは昨年末からのチケットの争奪戦から始まり、
会場では、お気に入りの選手のグッズを買うのに3時間待ち。
周囲を見渡せば、人・人・人。
どこに、こんなに多くの人が隠れていたのかと思うほどの数である。

それにしても、大リーグは粋な計らいだ。
開幕戦を日本に選び、日本人選手を試合に起用する。
ピッチャーとバッターの、
日本人対決だけをフォーカスして見ていると、
まるで国内におけるプロ野球の試合のようだ。
よくぞここまで、レベルを上げてくれたものだと
各選手の活躍に胸が熱くなる。

興業収益も、主催者の思惑通り、半端ないものになったことだろう。
テレビ放映の合間に流れるコマーシャルも、大谷選手一色だ。
通訳の使い込み事件では、どうなることやらと思ったが、
ヒーローは、物ともせず、我が道を歩み、その名声を高める。

ここぞというときに、きっちりと期待された活躍をし、
その存在感を当然のごとくアピールする。
偶然にも、フェンス際でファンが触れてビデオ判定という、
ハラハラドキドキのおまけつきだった。

本来、世界に目を向けるならば、
ウクライナとロシアの情勢、
米・ロ・ウの、トップによる電話会談の行方を考察しつつ、
ガザ問題の解決における着地点を模索しなければならない時だが、
こうした重い空気を癒してくれるのがスポーツだ。

今、戦争の惨禍にある国々は、スポーツどころではない。
恒久の平和の中で、真にスポーツを楽しめる日が来ることを願う。

「点検商法」生みの親か…“スーパーサラリーマン清水”を逮捕 5年間で100億円売り上げたか

「点検商法」生みの親か…“スーパーサラリーマン清水”を逮捕 5年間で100億円売り上げたか(日テレNEWS NNN)

悪質な手口で荒稼ぎする商法。
派手な生活、高級ブランド物に身を包み、親分肌を見せつける。
まともな企業が求人難のところ、こうした動画配信で、
多くの人がリクルートに応募してくるという構造が理解できない。
「楽して稼ごう」という視座に立つのだろか。
そうだとしたならば、人々の「遵法精神」「倫理観」、「道徳観」が危うい。

高級車も、高級時計も、
それを持つことに、どのような価値を見出しているのだろうか。
所持することが目的であり、それ自体がステータスなのか。
物欲の権化でしかない。

短期間で違法行為による荒稼ぎをして、逮捕される。
決して、人生の手本にはならない。愚の骨頂だ。

額に汗し、目に涙し、コツコツコツコツコツコツ…
努力するさまは、過去の遺物か。
そうではない。土台がしっかりしていなければ、たんなる張子の虎だ。
メッキはいつか剥がれる。

高級車も、高級時計も、権威を象徴するものではない。
権威は、「徳」の後に、自ずとついてくるものだ。

どんな粗末なところに住んでいても、ぼろを身にまとい、粗食をしていても、
権威は、「徳」の後からついてくる。
インド独立の父、ガンジーがそうであるように…。

退路を断って、背水の陣で「徳」を積む。
それが本物の「徳」の延長上にある「権威」であり、
こうした権威の前に、人々は有難さに跪く。

介護職員数が初の減少、212万6000人に…小規模事業者に財政支援し連携や再編促す

介護職員数が初の減少、212万6000人に…小規模事業者に財政支援し連携や再編促す(読売新聞)

少子高齢化、団塊の世代の高齢化で、
介護が必要なシニアの増大が予想される。

そうであるにもかかわらず、介護を担う労働者の数が減少すればどうなるのか。
理由は、仕事がきついこともあり、給料が安いとのこと。
それでは、介護職のなり手が減少するのも道理である。
国の、財政支援だけで事は足りるのだろうか。

知り合いの女性に、病院の事務職が最初で、次にトラック運転手、
30代の後半に、旅館の中居業に落ち着いたという職歴を持つ人がいる。
景色が変わることが好きで、風光明媚な各地を転々としていた。
家庭を持つこともなく、現在50代後半の彼女は動けるうちは働くという。

これからの夢は…と聞けば、貯蓄した金で、
もしもの時の、介護付きの高級老人ホームに入ることだそうだ。

高級老人ホームに入居を希望する者は、入居時の年齢に応じて、
また、受けたいサービスに応じて、数千万円の一時金を支払う。
その後、入居費として、毎月数十万円の負担をする。
これで終身安泰かと思いきや、ホームの運営会社が倒産すると、
新しく施設を引き受ける会社による、サービスの低下が懸念される。

場合によっては、介護職員の確保が難しく、人手不足に陥り、
入居時に約束された、十分なサービス提供を受けられない。
しかし、高級老人ホームに入居するために、自宅は売り払い、
貯金も底をつきつつある。

そうすると、帰るところがないため、
我慢してそこに住み続けなければならない…
といった話もよく聞く。

こうした話題は、介護サービスを受ける側にとって、
他人ごとではない。

健康に気を付け、ストレスをためず、
規則正しい生活をし、
介護の必要がない将来を、
自身で作っていかなければならないということか。
老後に、確約されたパラダイスはないと思っていた方が良いようだ。

それにしても、先行き不透明な生きにくい時代になったものだ。

フルタイム労働者の平均月給 33万円で過去最高を更新

フルタイム労働者の平均月給 33万円で過去最高を更新(ABEMA TIMES)

平均賃金の金額だけを見ると、随分、賃上げがされた感がある。
しかし、このところの物価高を併せ考えると、
実際はどの程度のものなのか、皆目見当がつかない。

光熱水費など、固定費については、どの世帯にもかかってくるのだから、
給料の伸びが鈍い業種、あるいは、
賃上げが難しい中小企業などに勤務する労働者は、
生活にしわ寄せがいく。

経済の状況が変われば、物価が上昇する分、
賃金の見直しも迫られるというものである。

今、多くの会社で人手不足が言われるが、
多くの労働者は、売り手市場の今だからこそ、
平均陳儀を上回る会社への就職を希望することだろう。

平均賃金を支払えない会社は、特段の魅力がない限り、衰退の一途をたどる。