Posted on 2025年5月22日
by 河野順一
富裕層らに売り込む佐渡の旅、ヘリで遊覧・貸し切りで能公演…2人で2泊300万円も(読売新聞)
富裕層にとって、この金額は痛くもかゆくもない。
2人で2泊300万円、そうすると単純計算で、
一人1泊75万円。
75万円といえば、一般サラリーマンの2か月分の収入か?
3か月分の収入か?
2025年度の老齢基礎年金(満額)支給額は、
月額69,308円であり、年額は83万1,696円だ。
富裕層の1泊と、基礎年金1年分は、
約8万円の差しかない。
同じ人間で、どうしてこれだけの差が出てしまうのだろうか。
様々な要因があるのだろうが、
機会の平等があっての、結果とは到底思えない。
極端な貧富の差が、社会のひずみとなり、
治安の悪化を招くのではないかと懸念する。
えてして、冨は為政者に集中し、民衆はその富の下支えとなる。
それは、資本主義も、社会主義も同じだ。
その他大勢は、冷や飯を食う。
いや、わが国には、その冷や飯すら流通しない。
高騰するコメをそのままに、物価を下げることができない。
時の農政大臣は、失言で更迭される。
放出された備蓄米の行方は判明しないまま、未だ値が下がらない。
放出後のルートは、なぜ解明されないのか。
大臣の失言の追及より、そちらの追及が先ではないのか。
いつの世も、金持ちがさらに金持ちになるシステムが出来上がっている。
1泊75万円は、庶民にとって夢のまた夢。
しかし、顕著な貧富の差は、ねじれとなって、きな臭い世を醸し出す。
先般死去された、ホセ・ムヒカさん、
「世界一貧しい大統領」の言葉を借りよう。
「貧しい人とは少ししかものを持っていない人ではなく、
もっともっとといくらあっても満足しない人のことだ」
それゆえ、日々の自然を愛で、
それに触れることで幸せを感じる生活をしたい。
ショッピングセンターの屋上駐車場から見る夕日は、赤く大きい。
親に、「写真を撮って」とねだる幼子の無邪気さに、心安らぐ。
吹きわたる風は、ほほに気持ちがいい。
鳥たちのさえずりは、微妙に波長が異なり、
種の会話を楽しんでいるようだ。
道端に咲く花は色とりどりで、実にけなげだ。
こうした小さな幸せを感じることで、
その積み重ねが、心の豊かさとなり、
大きな幸せにつながるものと思う。