野生動物との交通事故

【こんなときどうする?】野生動物との交通事故(ソニー損保)

近時、野生動物の出没の話をよく耳にする。
少し古い数字だが、
各高速道路会社によると、
全国の高速道路で起こったロードキルの件数は
1年間に約5万件だったそうだ(2017年)。

高速道路・一般道路に関わらず
ロードキルで発生してしまった接触事故は、
自動車保険会社では「物損事故」扱いとなる。

シカなどの、大型動物との衝突事故による修理額(車両保険での支払額)は
平均でも50万円をオーバーしているようだ。

野生動物との衝突は「物損事故」扱い。
動物相手では、損害の賠償を請求する先がない。

レンタカーを借りての観光も、
場所によってはこうした事故を想定して、
保険に加入することを忘れないようにしなければならない。

ちなみに、狐の飛び出しにつき、最高裁判例がある。

「◆北海道内の高速道路で
自動車の運転者がキツネとの衝突を避けようとして
自損事故を起こした場合において、
小動物の侵入防止対策が講じられていなかったからといって
上記道路に設置又は管理の瑕疵があったとはいえないとされた。
〔裁判要旨〕
◆北海道内の高速道路で自動車の運転者がキツネとの
衝突を避けようとして自損事故を起こした場合において、
1走行中の自動車が上記道路に侵入した
キツネ等の小動物と接触すること自体により
自動車の運転者等が死傷するような
事故が発生する危険性は高いものではないこと、
2金網の柵を地面との透き間無く設置し、
地面にコンクリートを敷くという
小動物の侵入防止対策が
全国で広く採られていたという事情はうかがわれず、
そのような対策を講ずるためには
多額の費用を要することは明らかであること、
3上記道路には動物注意の標識が設置されていたことなど
判示の事情の下においては、
上記2のような対策が講じられていなかったからといって、
上記道路に設置又は管理の瑕疵があったとはいえない。」
とした。
(上告審 平成22年 3月 2日
最高裁第三小法廷 判決 平20(受)1418号
損害賠償請求事件)」

控訴審は、道路管理者の瑕疵を認め、
キツネが高速道路に飛び出して死亡事故が起きた事件で、
原審判決を取り消している。
高速道路を管理する旧公団(現東日本高速道路株式会社)が
キツネを含む中小動物の高速道路への侵入防止対策を講ぜず、
高速道路としての通常有すべき安全性を欠いていたとして、
道路の設置、保存の瑕疵を認め、同会社に対し損害賠償を命じ、
また、原審で認定したライプニッツ方式による逸失利益算定方式を変更し、
ホフマン方式による算定方式を採用した。

しかし、論点とすべきは、
鹿など大型動物と接触すること自体により
自動車の運転者等が死傷するような
事故が発生する危険性は高い場合は、
どう判断するかということになる。
そうした事故がレアケースでなくなった場合、
損害の賠償が仕切れなくなる。

つまり、「高速道路に野生動物が侵入する危険性の程度」と、
「ロードキル対策への財政的制約」を包括して考えていかなければならない。

いずれにしても、そうならないよう、クマの出没も含めて、
野生動物と人間の住み分けを徹底していかなければならないだろう。

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