老後生活に2000万円は本当に必要? 目安となる金額とは

老後生活に2000万円は本当に必要? 目安となる金額とは(MONEY PLUS)

6月14日、金曜日。
街にある金融機関のATMは、どこもシニアの列だった。
店舗の入り口には、
女性警察官が詐欺を防止するポスターを配っていた。
その日が何にあたるかを意識していなかったため、
物価上昇分が加わった、年金支給日であることに気づくまで時間を要した。

このところの、物価が高止まりしている状況で、
シニアが、生活の糧を心待ちにしているのがよくわかる。

貯蓄はあるに越したことはないが、
今日日、リタイアまでの間に、
なかなか自身が目標としている額を用意するのは大変だ。
可処分所得の減少、物価の高騰、単身世帯の増加など、
政府が考えていたモデル年金金額だけでは、
生活が立ちいかないケースが少なくない。

年功序列を前提として、
専業主婦の夫婦に、子供二人の
ライフサイクルを前提としたモデル年金は、
今や昔の感である。

政府の政策に何の疑問も持たず、
周囲の人と同じことをしてきた人は、今、苦労している。
だから私は、これまで講演で、
口を酸っぱくして「生涯現役」、「資格を死格にするな」と啓蒙してきた。

高齢になり、貯金がない中、何ができるのか。
生活の格差は、その人が過ごしてきた人生の滓なのか。
それでも、政府は、
経済大国になるよう、企業戦士として国力を牽引してきた団塊の世代が、
負の遺産にならないよう、敬意を払うべきだし、
また、シニアも厳しい状況に鑑み、
できる限り矜持を持ちつつ、健康に留意して現役を続けなければならない。

とはいうものの、リタイアしてから、
現役の時と同じように復帰することは至難の業だ。
まずは、ライフスタイルを見直し、
身の丈に合った生活や、価値観を受け入れることが先決だろう。

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