金に色はついていない。
どんな金も、金は金であり、その額面の価値がある。
会社の経営者と話す機会は多いが、
経営者は、異口同音に、経費の節減を望み、
費用対効果を念頭において経営活動をしている。
問題は、中身だ。
経費節減はよいが、
「節約」と、「吝嗇(りんしょく)」は、異なる。
「節約」は、無駄な支出を抑えることだ。
例えば、経営に活用していない雑誌の購読は控えて良い。
空調においては、冷暖房をしているのに、
扉を閉めていない、適切な温度で管理していない、
こうした状況の打開をすることが「節約」だ。
他方、「吝嗇」は、平易な言葉に置き換えれば、単なる「ケチ」である。
必要な部分にまで、出費を惜しむということだ。
例えば、身なりである。
洋服・持ち物は、士業者において芸能人のように華美にすることはない。
ベンツに乗って、腕時計はロレックスを見せびらかす必要はない。
ただし、ワイシャツの襟や、袖が、擦り切れるまで着てはいけない。
穴の開いた靴を履いてはならない。
まだ使えるかもしれないが、見た目は至って貧相である。
「物を大切に使っていますね。」にはならない。
経営は、ある程度、顧客に対して大きく見せなければならない。
身なりに気を使わないということは、
その仕事にも気を使わない金を使わない…と思われがちだ。
社会保険労務士は、知識の仕入れにどれだけ金をかけたか…
自身が習得した結果で顧客に示さなければならない。
勉強をしていなければ、法改正の知識は反映されないから古いまま。
判例研究をしなければ、時は勉強した時点で止まったままだから、
商品として役に立たない。
男尊女卑はそのまま、ハラスメントは労働者が甘受すべき、
パートは、雇用の調整弁…の労務管理で、誰が社労士を雇いますか?
今インターネットを見れば、法改正情報や、条文は無料でゲットすることができる。
しかし、判例は、なかなかそうはいかない。
最高裁の無料判例検索システムは、お粗末としか言いようがなく、
調べたい判例を見つけたことがない。
そこでどうする。
有料だが、判例検索システムのお世話になるしかない。
ものによっては、解釈も掲載されている。
こんなに重宝なものはない。
判例検索システムの導入は、法律に携わる者にとってイロハのイだ。
これを駆使できない者は、
また、経費削減のため必要ないと一刀両断に述べる者に、
法律隣接士業の名を語る資格はない。
金は、「生き金」として使わなければならない。
「節約」と、「吝嗇」は、異なる。
