(昨日からの続き)
登山道にしたところで、富士山には、
「吉田ルート」・「富士宮ルート」・「須走ルート」・「御殿場ルート」、
といった主に4つの登山ルートと、
知る人ぞ知るルートとして
「プリンスルート」・「吉田口登山道」の2つ、
計6つのルートがあるそうです。
難易度に合わせて、また、その景観を重視して、
登山者はルートを選択します。
さて、就業規則の場合はどうでしょうか?
厚生労働省が作成する「モデル就業規則」も、一応の目的は達成します。
しかし、会社はその企業ごとに実情が異なるので、
パーターン化された就業規則は、オーダーメードにはかないません。
怖いのは、定め方によっては、負の材料として
「就業規則」に拘束されてしまうことです。
たとえば、本来、就業規則に定めてあれば、
支払わなくてもいい賃金や手当を、
定めていないばかりに、支払わなければならなくなった。
解雇予告除外認定の定めについては、即時解雇との関係で
それがたとえ重大犯罪の犯人だとしても、解雇の必須要件になる…
また、メンタル罹患者の休職において、必要な定めをしておかないと、
半恒久的に休職をさせなければならない。
そうなると、就労していない人の社会保険料も
半恒久的に負担しなければならない。
また、労働者の重大なミスによる損害賠償も、
定めがないばかりに請求できない…
などなど、「オーダーメードの就業規則」は、
会社に不利益なケースが回避されることがほとんどです。
問題が発生してから就業規則を改正しても、
それは、さかのぼって適用されません。
あくまで、規則を定めた後、将来に向かって効力が発生します。
問題が発生してからあたふたしても、残念ながら手遅れです。
よって、就業規則は予防的に、
「想定できるトラブルケースを、すべて網羅していることがベスト」
「事前に、定めておく必要がある」…と言われる所以です。
私達、社会保険労務士は、就業規則の作成につき、
先の富士登山に例えれば、山岳案内人であり、ナビゲーターです。
客の要望を的確に把握し、
顧客の要望に沿った様々な方法(ルート)を提示し、
法廷闘争にも勝ち抜く、ベストな就業規則を作成したいものです。
