桜を求めて、寸又峡まで、
SLの旅をしてきた。

花は、ちょうど見ごろ。
天気は快晴とまではいかなかったが、
主要な部分は、傘を差さずに過ごせる程度だった。
随分前からSLに乗車することを楽しみにしていたが、
この日の朝、点検で不具合があったとのことで、急遽断念。
電車が代替えとなったが、汽笛は演出されており、
かえって、トンネルで、客車に煙が入ってこない分良かったかもしれない…
(イソップ物語の、すっぱいブドウよろしく…)
新幹線では車内販売が終了したが、
この路線では、40年以上、
年季が入った、昔娘の売り子さんが、
快活に飲み物や土産物を売り歩く。
寸又峡は、静岡県、島田市から、新金谷に向かい、大井川鉄道に乗車。
1時間弱の、レトロなSLを楽しめるものだが、昨年の大雨で、土砂が崩れ線路が寸断。
現在は途中までしか行けない。
その先は、バスか、タクシーかで何とかしなければならない。
それでも人気で、クラブツーリズムの団体客でにぎわっていた。
沿線沿いの「家山」という駅の近くは、桜のトンネルが見事だった。
茶畑と満開の桜、大井川沿いの山には、あちこちに山桜が、
けぶったようにピンクの花を咲かせている。

宿の寸又峡温泉は、そのまたずっと奥。秘境と呼ばれるにふさわしい。
温泉は、泉質がねっとりしていて「美女づくりの湯」と銘打っている。
60年近く前、1968年2月20日、金嬉老事件の舞台となったところだ。
暴力団員二人を殺害した殺人者、韓国籍の金嬉老が清水市から流れて、
ライフル銃を構えながら人質13人をとって、4日間立てこもった事件が、
テレビで初めて実況中継された。
お茶の間で、視聴者が、事の成り行きを固唾をのんで見守った最初の事件である。
人里離れた、こんなにのどかな場所が、事件の舞台だったとは驚愕だ。
十数年前まで、資料館もかねて存続していた事件の舞台である「ふじみ屋旅館」は、
今も当時の姿で、その建物を残している。
夢のつり橋、、国内唯一のアプト式電車、長島ダム、湖上駅など、
見どころ満載の旅は、レトロな雰囲気満載だった。
たまには、山奥に足を延ばしてみるものだ。
見える景色が変わってくる。



