「花子とアン」熱さ増すゆかりの地 県立文学館は入館者8倍!(スポニチ)
このブログでも、NHKの朝ドラの話題は以前にもしたものだが、ドラマも終盤にさしかかった。未だ高視聴率をキープしており、その余波が様々なところに現れているようである。
ヒロインの孫娘が認めた原作【アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)】を読んだが、ドラマはさることながら、史実に基づいた同書は、さらに深く、重みがある。人々がそこに存在したという証が生き生きと描写されている。
物がなかった、思想の自由がなかった、人権が疎んじられていた・・・・現代と比べて数々の制約がある時代ではあるものの、登場人物は自分の感性を頼りに、人生を模索し、誠実に生きた。物質的な欠乏に負けぬ、旺盛な想像力、崇高な精神が何にも勝っていることが認められる。そして、周囲には共同体があり、たとえ貧しくとも「志」を支える温かなまなざしがある。さらに、忘個利他を意識せず自然と実践する中で、また自分も活かされる・・・そうした相乗効果、昭和のにおいが実に懐かしく、心の琴線に触れる。
そこには、生活に利便性のみが強調される殺伐とした現代社会が置き忘れてきた、人間関係の良き時代がある。仁・義・徳・慈・恩などなど、再び、論語教育の必要性を如実に感じる。
それゆえ、人々はドラマを評価し、ドラマゆかりの地を訪れたいという衝動に駆られるのだろう。納得である。
