ウィルコ・ジョンソンを救ったのは、外科医のファン(BARKS音楽ニュース)
事務所のベテラン職員から聞いた、イングランド出身の世界的ギタリスト・ボーカリスト、ウィルコ・ジョンソンをめぐるエピソードがあまりに興味深いのでご紹介しよう。
ピックを使わず、素手で演奏し、ステージ上では激しいパフォーマンスを見せるが、実は読書好きのインテリというウィルコ・ジョンソンが、すい臓がんで余命いくばくもないと告白したのは2013年1月のことだった。
延命治療は行わず、創作活動とステージに残された生命を使う…それが、ウィルコ・ジョンソンの意向だった。
そして、時が来れば彼は天に召されるはず…だった。
ところが、
彼の様子を見守っていたファンの一人が素朴な疑問を抱く
「何で前よりも元気なんだ?」
幸運だったのは、そのファンが外科医であるチャーリー・チャン氏だったことだ。
チャン氏は知り合いのすい臓の専門家達と話し合い、ある結論に至る。
「何か別の病気なのではないか?」
そしてチャン氏は、ウィルコ・ジョンソン氏に医師を紹介し、その医師が腫瘍を取り除くことに成功した。
私はよく、「一期一会」という言葉を好んで使うが、ウィルコ・ジョンソンもその時その時の音楽活動をそのような思いで務めていたのだろう。
チャン氏とウィルコ・ジョンソンの出会いが、ライブ会場でなのか、CDの演奏を通じてなのかはわからない。
しかし、出会いが何であれ、チャン氏の心を惹きつける何かがなければ、チャン氏はファンとなることもなく、ウィルコ・ジョンソンの真の病気に気付くこともなかったはずだ。
さらに言うならば、ウィルコ・ジョンソンだけでなく、チャン氏もまた医師として素晴らしい観察眼を持った方であることがわかる。
普段から、物事を曇りのない目で見つめているのだろう。
彼のような医師に出会えた患者は幸せである。
出会いとは事程左様に重大なものであり、時に人の生命まで左右するものなのである。
私も、執筆活動やセミナーでの講演、コンサルティングなどでの「出会い」を大切にしていきたい。
