ことば館クリニック院長の、患者に向けるまなざしは、限りなく優しい。不安な患者を丸ごと包み込む優しさである。
対治と、同治。
医者と患者の立場をそのままに、上から目線で機械的な治療をすることが「対治」。
それに対して、医者が、患者の目線に立ち、心を添わせて治療に当たることが「同治」。勿論、けん三さんは、後者の医師。
歌が趣味だが、病気で歌う気持ちが萎えた女性患者を励ますため、休診日に診療所で得意のアコーディオンを手に、女性と心ゆくまでシャンソンを歌う医師。
最愛の弟を亡くした女性の悲しさに寄り添って、彼女の心境にぴったりの、自筆の書を贈る医師。
けん三さんは、自分が患者に係ることで、彼らが少しでも笑顔になってくれれば、自分も幸せと話す。
現代の「赤ひげ先生」、先生の様な医師が増えてくれることを望む。
