教諭同士が校内で性行為 市教委、処分できず 男性自主退職で示談(毎日新聞)
腑に落ちない事案である。
校長の判断が後手後手に回り、
本来、懲戒解雇であるべき事案が自主退職となった。
そうすることの、功罪はどこにあるか。
まず、本件加害男性教諭に対し、
どのような不法行為に当たるのかを考える。
職場内における本事案のような場合、
「ハラスメント」ということになることが分かる。
それも、「セクシャルハラスメント」に分類され、さらに「対価型セクハラ」に当たる。
対価型セクハラは、
一般に、何らかの措置を優遇する対価として、
性的な行為を求めるケースを指す。
他方、相手が要求に応えなかった場合に、
その腹いせに報復的な行為をすることも対価型セクハラに相当する。
このように、対価型セクハラは上司から部下など、
立場を利用して行われるケースが多くある。
本件の場合、学年主任である男性教諭が、
どこまで踏み込んだ強要をしていたかは不明だが、
少なくとも、女性側が報復を畏怖していた状況がうかがわれる。
そうしたことを前提として、
どのような責任を問えるのかを考える。
民事でいえば、不法行為による損害賠償であると、ピンとくる。
しかし、当事者間ですでに示談が成立しているため、
今となっては、その責任を問うことができない。
刑事事件はどうか。
構成要件から言えば、刑法第176条の「不同意わいせつ」、
次条の「不同意性交」が相当しそうだ。
(ただし、刑事事件の場合、事件が警察など捜査機関に受理されてから、
捜査がされ、起訴か否かが決定し、
起訴されれば原則として裁判が行われ、
その結果有罪判決になれば、初めて罪に問える。)
この手の事件は、従前は、親告罪だった。
親告罪とは、、被害者が加害者へ告訴しなければ、
事件として扱わないというものである。
しかし、2016年6月16日に一部刑法が大幅に改正され、
2017年7月17日、性犯罪における親告罪の規定が廃止された。
本件の場合、当事者間で示談しているために、
こちらも立件されるか否か、不明である。
それでは、お咎め無しということになるのか?
加害教諭の逃げ徳にならないか?
もう一つ、考えなければならないことは、
加害者である男性教諭が、自主退職をしており、
相当な金額となるはずの退職金を手にしているであろうとする点にある。
セクハラの様態は極めて悪い。
対価型セクハラは、学年主任と、教師の経験年数が浅い20代の職員であり、
行為が繰り返し行われた場所は、神聖な学校である。
本来ならば、懲戒処分に該当する事案であり、
懲戒解雇ということであれば、退職金は全額不支給であることが推測される。
それを満額支給されているということは、不当利得の問題が発生するのではないか。
よって、公務員である加害男性に対して、
本事件と関係ない第三者である市民が、
不当利得の返還請求をすることができないのか、という論点が残るというわけだ。
昨年の5月に当事者間で示談、
9月に加害男性の自主退職。
どうして今、こうした事実が明るみになったのか?
小学校を舞台として、あってはならない事件に対し、
加害男性に鉄槌を下す、第2幕があることを信じたい。
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