銀行で戸籍謄本の提示を求められたら…

これは、私の事務所の従業員の話である。
彼女は、地方から東京に出てきて婚姻した。
地方で取引をしていた地方銀行の通帳ををそのままにして、早20年。

幸いにして、住所地は変更し、取引支店も近場に変更していたとのこと。

20万円の定期預金が入っていたことを思い出して、
最近、手続きをしようと試みた。
そうしたところが、有給を取得して手続きに出向いたにもかかわらず、
窓口では「戸籍謄本」が必要だと言われたとのこと。

理由は、氏名変更だ。
確かに、氏が変わっていることの公的証明を、
銀行の内部規程が必要とするというのである。

そこで職員は頑張った。
「運転免許証の書き換えの際、返納せず、
これまでのものを、すべてコレクションして、今、持ってきています。
氏名変更した時のものは、
旧姓が表で現在の苗字が裏で、
変更した年月日も記されています。

現在の番号と、過去の運転免許証は、勿論同じですし、
住所も、従前のものも現在のものも記載されています。

そちらの履歴と照合していただければ一目瞭然です。」

それでも、銀行の内規に従わなくてはならないと言ったとのこと。

「そちらの内規は、客を縛るものではないでしょう。
客観的事実として、証明したい内容が他のものでも証明できれば、
なにも、「戸籍謄本」に拘泥する必要はないですよね。
現在の公的証明書である運転免許証があり、
同じ番号の、氏名変更がされたことが分かる、過去の運転免許証がある。
これで、間違いなく証明できますよね。」
…と述べたところ、担当者は本部に問い合わせを入れたということだ。

勿論、結果はオーライ。

日頃から私の薫陶を受けていなかったら、
彼女も交通費をかけて、時間をかけて、戸籍謄本の手数料を支払って、
再度手続きをしていたことだろう。

よくやりました。

国民を拘束するのは、「契約」と「法律」である。
企業の内規で、客に義務なきことを強要させてはならない。

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