「蛙と牛」

散歩中、10センチはあろうかと思われる、大きなカエルを見つけた。
後ろを歩いてきた20代の女性たちが、珍しい生き物に大はしゃぎをしている。

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面識がない異世代の人間でも、
共通の話題で、親近感がわくのも面白い。

そこで、イソップの「蛙と牛」の蛙のようだという話になったが、
彼女らはそれを知らない。
「イソップ」すら知らないとのことだった。

「蛙と牛」の話とはこうだ。

ある日、蛙の親子が牛に出会う。
子供が父に、「あの生き物は凄いね。大きいね」
と言うと、父が
「どうってことはないさ。父さんの方が大きくて立派さ!」
と言って、大きく息を吸い込み、腹を膨らませ始めた。
「どうだ!父さんの方が大きいだろう!」
と自慢すると、子がえるが言う。
「まだまだ、あいつの方が大きいよ」
父ガエルはさらに息を吸い込む。
「どうだ!!父さんの方が大きいだろう!」
「う~ん。まだまだ、あいつの方が大きいよ」
よしとばかり、さらに空気を入れると、
父ガエルのお腹は破裂しました。

イソップは何が言いたいかというと、
蛙が牛をまねようとして腹をふくらませる話で、
身の程を知らぬ慢心を戒めているのだ。

非常にわかりやすい寓話といえよう。
こうした話を、今の若い子が知らないということに
危機的なものを感じる。

子供の頃、親が読み聞かせた物語が、
その子の人間形成に少なからずかかわっていくものである。
この子たちが親になり子供を育てるとき、
自身が知らないのだから、
子供らに読み聞かせる図書リストにイソップはないだろう。

楽しく人生を教える歴史ある寓話の、
復活を願わずにはいられない。

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