Archive for 10月 2024

袴田巌さんの無罪が確定へ、検察が控訴断念…死刑が確定した事件での「再審無罪」は戦後5件目

袴田巌さんの無罪が確定へ、検察が控訴断念…死刑が確定した事件での「再審無罪」は戦後5件目(読売新聞)

検事総長が控訴断念を表明 「申し訳なく思っている」 袴田巌さん再審で談話(産経新聞)

皆さん、お疲れさまでした。
長い長い戦いが、ようやく終わった。区切りがついた。
犯罪をしていないということを主張するだけで、58年の月日を要した。
当たり前のことを当たり前にするために、人生の大半を費やした。

「申し訳なく思っている」…それでは済まない。
しかし、時間を巻き戻すことはできない。
将来に向け、明るい人生を歩むしかない。

途中で挫折することなく、よく最後まで戦ってこられた。
ご本人は勿論のこと、姉ひで子さん、支援者の方々に敬意を表する。
再審公判で、袴田さんの弁護団長を務めていた西嶋勝彦弁護士は、
この吉報を知らず、今年1月、82歳で亡くなられた
同弁護士の遺影も、記者会見の場に並んでいる。

袴田さんは88歳。ひで子さんは91歳。
ご高齢を押して、よく頑張られたと思う。

「再審無罪」は戦後5件目、他にも4人の方が同様の憂き目を見ているということだ。
微罪を含めたら、どれだけの方が冤罪に苦しんだことだろう。

国家権力は間違った使い方をすると取り返しのつかないことになる。
捜査機関と司法は、その点、慎重にするのは当然のことであり、
証拠の捏造などもってのほかだ。
罪なき人を、極刑に処することは国家犯罪だ。
明かな過ちに気づいたならば、もっと早くに是正すべきだった。
海外の同種事案を参考に、妥当な再審のありかたを早急に検討すべきだ。

ネットの見出しでは、「47年7か月拘束された袴田巌さん、補償金は2億円超か…弁護団は国家賠償求めることも検討」
とある。
多額の補償金をもらったところで、残りの人生で何に使えというのだろうか。
失った時間は帰らない。
無辜の民が、47年7か月拘束と、死刑囚の汚名、
日々怯えなければならない死刑執行の恐怖を、2億円で買いたい人は皆無だろう。

大きな偉業を成し遂げて、目標がなくなることが心配だ。
今後は、国賠訴訟をしながら、冤罪撲滅に尽力していただきたい。

【独自】“見捨てられた”老人ホーム…千葉市の老人ホームも職員が一斉退職 「おむつ交換していない。シーツびっちゃびちゃ」と入居者の妻

【独自】“見捨てられた”老人ホーム…千葉市の老人ホームも職員が一斉退職 「おむつ交換していない。シーツびっちゃびちゃ」と入居者の妻(FNNプライムオンライン)

健康で文化的な生活はどこに行ったのか。
自身で身の回りのことができなくなった者は、
憲法の理念から適用除外されるのか。

長寿は喜ばしいことだが、健康寿命でなければ意味がない。
少子高齢化が進み、世話しなければならない老人だらけになったとしたら、
マンパワーも、費用も、誰が面倒を見ることになるのか。

劣悪な、こうした老人ホームへ世話になりたくない。
入居費用が安いからそうなるのかと言えば、そうばかりでもない。

人が集まるところ、様々な摩擦が起き、トラブルはつきものだ。
高級老人ホームと言われるところでも、例外ではない。
流石に、「おむつ交換していない。シーツびっちゃびちゃ」はないにしても、
他の面での気苦労がある。
入居費用が数億円、月額の入居費が50万円程度のクラスでも、
ご近所トラブルはつきもので、費用対効果が望めない場合があるという。

まずもって、面談で性格が試され、
自己主張が強く、集団生活になじめない方は、
いくら金を積んでも体よく入居を断られるという。

現役時代の功績に応じて、ヒエラルキーが形成されているという。
確かに、みんながみんなわがままを言ったら、施設の運営は成り立たない。
集団生活には、それなりの規範がついて回る。

そう考えると、自宅で過ごすことがベストだが、
今度は、介護の問題が出てくる。
誰が面倒を見るのか。
痴呆がかかったらどうするのか。

しかし、先のことはわからない。

自分でできることは、年齢を重ねても自分でする。
責任感を持つ仕事をしながら、健康で過ごす。
規則正しい生活をする。
くよくよせずに、小さな幸せを積み重ねる。

シニアが敬われる時代は、終焉した。
自分らしい年齢の重ね方を考えたい。

公憤

私は怒っている。いつも公憤を覚える。
通信網の発達、交通網の拡充、電化製品の普及…。
世の中は私が若かった時代より、各段と便利になった。
生活の質が向上した。
それでは、便利になった分、浮いた時間的余裕を、人々は有効活用しているか。
人間関係を大切にしているか。
物事を深く考えているか。
勉強しているか。

漫然と日々を過ごしていると、無為に時が流れる。
「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と、どこぞの5歳児に喝を入れられそうだ。

世の中を見渡してみよう。
今月1日、石破政権が発足した。
組閣は「ガラクタ内閣」と揶揄される。
何かしら問題があって、
これまでお呼びがかからなかった方々が顔を並べているとの報道。
公言不実行。周囲の声を取り入れるといえば聞こえはいいが、
周囲の言いなりに軸がぶれる。
内閣発足前に決めた解散総選挙の行方はどうなるのだろうか。
国民はしっかりと意思表示をしなければならない。
…とはいうものの、頼りたい野党がいないのは致命的だ。

権力を持つということは、時の為政者が意のままに国を動かすということだ。
話は古いが、40年近く前、
御巣鷹山に墜落した「日航ジャンボ機」のことをご記憶されているだろうか。
これまで事故調査委員会の発表により、
「後部圧力隔壁の破壊」が原因とされていたが、
ここ十数年、異なる原因を主張する方々がいる。
中曽根内閣政権下、自衛隊のミサイル開発テスト中、同機を誤射したことに端を発し、
その隠蔽工作で自衛隊により撃墜されたとする説。
様々な目撃情報、残された証拠など、総合勘案すると、
事故調査委員会は合理的な説明責任を果たしていない。
520名もの尊い命が失われ、
40年近くたったが、未だ真相解明に至っていない。

袴田事件はどうか。
1966年に静岡県清水市で、一家4人が殺害され、
その犯人として逮捕された死刑囚、袴田巌氏が、58年間冤罪を主張し続け、
逮捕当時30歳だった同氏が88歳になった、
今年9月26日の一審判決で無罪判決が言い渡された事件である。
58年間、いつ死刑が執行されるか怯えて過ごさなければならない日々。
冤罪を主張しても、聞き入れられない絶望感。
想像を絶する。人生が変わるのは、本人はもとより、周囲の者も同じである。
91歳になる袴田氏の姉であるひで子さんは、
自身の人生をなげうって弟の支援にあたる。
裁判は実に怖い。捏造された証拠で無辜の民を殺人者に仕立ててしまう。
これは他人ごとではない。
いつ、自分の身に、自分の大切な人の見に起きるかわからない。
それゆえ、司法制度を知っていないと初動を誤る。
一度レッテルを張られてしまうと、
それを剥がすのに相当な年月を要するということであり、
既に刑が執行されてしまえば、取り返しがつかないことになる。

そして、「兵庫県内部告発問題とハラスメント」の問題である。
この事件を、単に
「わがままな知事の不信任案が可決された出直し選挙」
という社会問題として捉えてはならない。
今年、兵庫県で、知事の言動を内部告発した県幹部職員が非業の死を遂げた。
これは、職場のハラスメントの問題である。
今回の事件は、告発の内容をどのように捉え、処理すべきだったか、
ハラスメントはあったのか・なかったのか?
内部告発・ハラスメント…さらにもう一つ、告発内容にもあった、
今、ホットな話題、「つながらない権利」について、考える。
この話題は、公務員に限ったものではなく、
一般企業でも同様なことが起こりうるため、学習が大切。

このように、労働に関する問題は身近であり、
法律を熟知することにより
無用なトラブルを回避することができることをご理解いただきたい。
「知ると知らぬは天地の差」

服部幸應さん死去 著名人から追悼相次ぐ 木村拓哉、TOKIO、鎧塚俊彦氏…「食の伝道師」

服部幸應さん死去 著名人から追悼相次ぐ 木村拓哉、TOKIO、鎧塚俊彦氏…「食の伝道師」(スポニチアネックス)

「食の伝道師」たる服部幸應さんが亡くなられた。
78歳。「労働法の伝道師」の、私と同い年である。
また、この方、よくマオカラーのスーツを着ておられた。
私もマオカラーが好きで数多く仕立てたものだが、趣味が被る。

生涯現役。
最後の最期まで仕事をされ、ご自身の学校で倒れられた。
年齢的にはまだお若いが、羨望に値する、潔い最期である。

この方の口癖は「嘆かわしい」だったそうだ。
今、料理人は斬新なものに心が奪われがちだが、
伝統が軽んじられている。
だから「嘆かわしい」。

職の多様化が進み、
一般家庭でも様々な料理が楽しめるようになったが、
核家族、共働き、コンビニや外食産業の普及を要因として
家庭で、料理をする機会が減った。
しかし、医食同源。食は体調管理の根本である。

氏は、食育の重要性を説き、
「おふくろの味」が失われつつあるという現実を憂慮した。
「核家族化」でおふくろの味が、
次の世代に伝承されなくなったことへの危機感。
豆腐を包丁で切れない、
魚を3枚におろせないといった人が多くなり始め、
「嘆かわしい」と述べていたそうだ。

次の世代に文化を伝承していく。
それが、先人の役目だ。

時短もいい。簡素化もいい。
しかし、それは基本を熟知したうえでの知恵であり、
根本はぶれてはならない。

法律もそうだ。
法の理念、体系はしっかり押さえておかなければならない。
そのうえでの解釈だ。

同じ「伝道師」のご逝去は、他人ごとと思えない。
私も生涯現役で、労働法の在り方を伝えていきたい。

合掌

【速報】自衛隊機でレバノン在住の邦人ら16人が出国 現地の情勢悪化受け

【速報】自衛隊機でレバノン在住の邦人ら16人が出国 現地の情勢悪化受け

中東の情勢がますます混迷を極める。
攻撃する側は大義があるのだろうが、
それが国際法上、許容されるか否かは不明だ。
大義の名のもとの侵略が是認されるのでは、
国際秩序は保てない。

出国して、帰る場所がある人は、まだ救われるが、
祖国を追われ、難民生活を余儀なくされる人はどうすればいいのか。

不届き者に、意見する国がなくなってしまったことは嘆かわしい。
いや、独自路線を貫き、周囲が意見したところで、耳を傾けなくなったことが問題なのだ。

過去、歴史は同じ過ちを繰り返している。
そのたびに、失わなくてもよい多くの命とインフラが破壊されてきた。
実に嘆かわしい。
しかし、そうした戦争を奇貨として、戦争特需で懐を肥やす者もいる。

社会はキレイゴトだけでは済まされないが、
清濁併せ呑んだとしても、最低限、人命は尊重しなければならない。

今、気候変動を理由に、
全世界で災害が続発している。
台風、洪水、干ばつ、山火事…
日本では能登の方々が度々の災害に見舞われたが、
今月に入ってからの台湾も、強烈な台風で惨事となった。
アメリカでも、東欧でも、ネパールでも、大規模洪水で多くの方が犠牲になっている。
昨年、リビアの大洪水で、1万1千人以上の方が亡くなったと報道されたが、
遠い国のことは記憶に薄い。

こうした災害の原因が地球温暖化とするならば、
排出ガスを削減できない経済活動の構造が人災と言える。

気候変動が人災、戦争も人災。

人は、利己主義に走り、共存の理念を忘れやすい。
その結果、自らの生存を危うくしている。

実に愚かなことだ。

【袴田巌さん再審】静岡地裁での無罪判決から1週間で広がる検察“控訴断念”求める動き…プロボクサーらも

【袴田巌さん再審】静岡地裁での無罪判決から1週間で広がる検察“控訴断念”求める動き…プロボクサーらも(Daiichi-TV(静岡第一テレビ))

正義とは何か。
辞書で調べてみよう。

「人の道にかなっていて正しいこと。
正しい意義。また、正しい解釈。
人間の社会行動の評価基準で、その違反に対し厳格な制裁を伴う規範。「」

最高裁判所に、「テミス」像が飾られている・
正義の女神像のモデルは、ギリシア神話に登場するテミスだ。
テミスはギリシア神話では、
巨神族(ティターン)の法と秩序を司る女神とされている。

袴田さんの裁判は、正義にかなっているか。
テミスに恥じないか。

冤罪で、58年も無辜の民を拘束し、死刑の恐怖を与えることは
決して正義と言えない。

再審無罪判決の裁判官は、袴田さんに詫びていた。

ある日突然、冤罪で逮捕された人の身になって考えなければならない。
事件が起きた年に誕生した58歳の裁判官が、
捜査機関の証拠の捏造を断罪して、
袴田さんに無罪判決を言い渡した。

胸に詰まるものがある。

こうした冤罪は、ご本人だけのことではない。
袴田さんの場合、91歳のお姉さんの人生も狂わせた。
息子の無実を信じながら、
鬼籍に入らざるを得なかったご両親の無念。
生き別れになった幼い息子さん。
一審の判決文を書いた裁判官(左陪審)も、冤罪を確信しながら
書かざるを得なかった状況に、その後、自責の念からか
裁判官を辞め、転落の人生を歩んだという。

確かに事件で4人の人が殺害されている。
誰かが起こした事件ではあるものの、
逮捕され、罪を償うのは真犯人でなければならない。

逮捕直後、
プロボクサーに復帰することを心の支えにしていた袴田さん。
88歳の今となっては、その夢も遠い過去のものである。

もういい。過酷すぎる。
検察の威信もわからないわけではないが、
自分が、大切な家族が、親しい友人が、
袴田さんだったらと思いを馳せ、
正義の女神に恥じない判断をしてほしい。

石破内閣の集合写真に酷評の嵐「口ぽかーん、腹ぼよーん、裾だらーん」よれよれモーニング お腹から地肌説も

石破内閣の集合写真に酷評の嵐「口ぽかーん、腹ぼよーん、裾だらーん」よれよれモーニング お腹から地肌説も(デイリースポーツ)

確かに、指摘が妥当するかもしれない。
一国一城の主が、との観点からすると、やはりいただけない。
まずは、見た目である。
誰か、コーディネートしてくれる人はいなかったのだろうか。
極めて残念である。

私が講演で、良く話すことがある。
その話とは、このようなものだ

「皆さんは外出する際、身だしなみに気を配ることと思う。
特に大切な商談や、嫌われたくない相手とのデートの時は、
念入りに身だしなみ整えるだろう。

なぜそうするのか?

それは、誰しも相手に好印象をもって接してもらいたいからである。
認めてもらいたいからである。

これが、自分一人だけしかいない無人島に住む者が、
島でネクタイ選びに頭を悩ませるだろうか?

見せる相手がいないのだから、ネクタイすら結ぶ必要がない。
それどころか、洋服の着用も必要ない。
気候さえ良ければ、原始人に近い裸でいても何ら構わないのである。
このように人間は人からの評価を、賞賛を渇望する動物なのである。」

私は新総理に、
「あなたはなぜ、身だしなみに気を使わないのですか?」
と聞きたくなる。

本人が気が付かなければ、周囲が心配りをしなければいけない。
これまで、新閣僚の集合写真で、
これだけの酷評を聞いたことがない。

今後は、海外に対して、恥ずかしくないいでたちを心がけてほしい。

スズメが絶滅危惧種に? 里山の鳥、チョウが急速に減少

スズメが絶滅危惧種に? 里山の鳥、チョウが急速に減少(毎日新聞)

寂しい限りだ。
当たり前に慣れ親しんできた生き物が絶滅危惧種に?
環境の変化で、次の世代に生を繋げられない種が多いということだ。

「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る」 一茶

ふっくらとした愛らしいスズメが今や希少だ。
海も、山も、里も、生態系が変化している。
食物連鎖のうえに成り立っている生物のバランスが崩れてきている。

昔は、「スズメ焼き」なるものがあった。
それだけ、多く生息していたという証だ。
見た目は実にグロテスクで、かつ、かわいそうで、
個人的には、口にすることが憚られたが、
豊富な食材として用いられていた。

しかし、絶滅危惧種となった今は、とんでもない話だ。

種の保存を考えるとき、人間も危うい。
合計特殊出生率の低下は、日本における課題であるが、
「2.1」を切ると人口減少に拍車がかかる。
両親がいて、次世代を担う子供は、少なくとも2.1人いないと、
人口が減少するという理論。
事故や病気で夭逝することがなければ2人で良いが、
それを含めての数字である。

ところが今、「1.33」との統計結果である。
グローバル化に鑑み、「日本人」との枠にこだわらなければ、
つまり地球規模で人口を考えれば、
増加傾向にあるので問題はないと考えるか。
2022年に、中国を抜いて、
インドの人口が世界一になったとの国連の報告がある。

同列には論じられないものの、
スズメは減少傾向にあるが、
同じ鳥でも、カラスが増加傾向にあるから良しとしようか…
とすることに似てはいないか。

日本人のアイデンティティーとは何か。
日本人の矜持とは何か。

確かに個人として尊重されなければならないが、
長い歴史の中、私たちの世代で民族としての流を絶やしてはいけない。

日本人が、絶滅危惧種にならないためにも。

兵庫県内部告発文書と、つながらない権利

兵庫県知事のパワハラなど、元幹部職員男性による
文書による告発問題は、法で腕大きく取り上げられ、
皆様の記憶に新しいところだと思います。
同知事は、結果失職され、現在、出直し選挙のため、該当演説を精力的にされているとのことです

さて、この幹部職員が告発した内容は、報道によれば次の7つでした。
①副知事(当時)が「ひょうご震災記念21世紀研究機構」の五百旗頭真理事長(故人)に、副理事長2人の解任を通告し、理事長の命を縮めた。
②前回知事選で、県幹部4人が知人らに知事への投票依頼などの事前運動を行った。
③知事が24年2月、商工会議所などに次の知事選での投票を依頼。
④視察先企業から高級コーヒーメーカーなどを受け取った。
⑤副知事(当時)らが商工会議所などに補助金カットをほのめかし、知事の政治資金パーティー券を大量購入させた。
⑥23年11月の阪神・オリックス優勝パレードの資金集めで、副知事(当時)らが信用金庫への補助金を増額し、企業協賛金としてキックバックさせた。
⑦複数のパワハラ。
「20メートル手前で公用車を降りて歩かされ、どなり散らす」
「気に入らないことがあると机をたたいて激怒」
「幹部のチャットで夜中・休日など構わず指示」など

残念ながら、これを告発した県幹部の方は、7月に自死されています。
それゆえ、事実はもとより、その調査方法など、
知事の責任の所在を大きく問われているものです。
本日はこのうち、最後の⑦、「複数のパワハラ」について、
考えてみたいと思います。

⑦の具体的事例のうち、最初の2つに関しては、
正確な状況がつかめないので、パワハラか否かの判断がつきかねます。
責任の所在を判断する際、背景、職務との関連性、
そして「怒鳴り散らす」や、「激怒する」は、程度もあるため、
労働者の主張を鵜呑みにするのは禁物です。
そのあたりを、対立する当事者双方から公平中立の立場で
事情を確認する、
また、周囲にいた人からの事情聴取をするといった
客観的な判断材料の収集が不可欠です。
今、兵庫県ではこの点につき、
百条委員会にくわえて第三者委員会で検証を行っています。

問題は、「幹部のチャットで夜中・休日など構わず指示」です。
所定労働時間のほかは、原則として労働者の私的な時間ですから、
使用者としては、そのような時間につき、
労働からの解放をしなければなりません。
よって、災害などの緊急時はともかくとして、通常業務の延長として、
「幹部のチャットで夜中・休日など構わず指示」はNGと言えます。
これを「つながらない権利」と呼び、今、世界的な動きとして
クローズアップされています。

この「つながらない権利」は、
2017年にフランスが施行した改正労働法で世界的に注目され、
イタリアやメキシコ、英国など世界各国で法整備が進んでいます。
例えばフランスの場合、従業員数50人以上の企業を対象に、
業務時間外の「つながらない権利」に関する定款の策定が
法令で義務づけられました。
イタリアもこの権利を雇用契約に
明記することを義務づける法律を制定しました。
21年にはカナダの一部州で
つながらない権利を尊重するための法改正が行われ、
メキシコは「テレワーク法」で
つながらない権利の尊重を使用者に義務化したといいます。

では、日本は?
今のところ法制化に向けた動きには至っていません。
だからといって、将来的には、
世界的な潮流に逆らうことはできないでしょう。

ちなみに、2021年に厚生労働省は
「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」
を発表しました。
このガイドラインには、「つながらない権利」に関連する
次のような記載があります。

・テレワークを実施している者に対し、
時間外、休日または所定外深夜のメールなどに
対応しなかったことを理由として
不利益な人事評価を行うことは適切ではない。

また、テレワークにおける長時間労働の対策として、
以下のことが例示されています。

・業務時間外にメールを送付することを抑制する。
・所定外深夜・休日は社内システムのアクセス制限を設定する。

こうした背景に鑑み、罰則規定が導入される前に、
来るべきその日に向けて、
企業での「つながらない権利」について
見直しをしておきたいものです。